テスラの「トイレ」が新登場? ユーザー体験向上への強いこだわり 車内のペット保護機能も便利【UK編集部コラム】

公開 : 2026.08.03 17:05

英国でテスラの充電スポットに「トイレ」が設置されるようになりました。夜間はロックされますが、アプリがあれば利用できます。ペットモードやセントリーモードなど、UK編集部記者はユーザー体験に感銘を受けています。

英国の充電スポットでトイレ棟がオープン

テスラは、EVメーカーとして産声を上げてから常に業界をリードしてきた。

同社独自の充電ネットワーク「スーパーチャージャー」は、サードパーティの充電事業者よりも安価で、手軽に利用できる。毎回新しいアプリをダウンロードしたり、クレジットカードをタッチしたりする手間も省ける。

テスラ・モデルY
テスラ・モデルY    AUTOCAR

テスラから直接クルマを購入し、テスラアプリで手続きを進めるという手法も、競合他社との差をさらに広げる要因となった。

そして今、最新の進化形が登場した。テスラの「トイレ」だ。英国のM1高速道路のすぐそば、ルートン北部のガーデンセンター内に位置する、初のテスラブランドのトイレ棟がまもなくオープンする予定だ。ガーデンセンターの営業時間中にロックが解除され、営業時間外でもテスラの画面に表示されるパスコードで利用可能になる。自動販売機も設置される予定だ。

トイレの設置がブランドの評価を劇的に変えるわけではないが、これは新しいことに挑戦し、ユーザー体験を向上させようとする同社の姿勢の表れと言えるだろう。英国の充電スポットには、充電中に利用できる施設が併設されていないことが多い。

人間の同乗者にも使えるペットモード

長期テスト用としてUK編集部が用意した『モデルY』を運転する中で、筆者が最も気に入っているのは、テスラの幅広いユーザー体験だ。このサイズのEVの多くは見た目も運転感覚も似通っているため、メーカーは差別化を図るために何か工夫をしなければならない。

他にも価値を感じる機能はいくつかある。その1つが「ペットモード」で、外で用事を済ませている間、犬を車内に残しておくための機能だ。車内の温度がどれほど涼しくても、筆者は犬を車内に置いていくことは決してないが、人間の同乗者なら話は別。

テスラのペットモード
テスラのペットモード    AUTOCAR

スマホをキーとして使えば、クルマから離れるだけで自動的にロックがかかる。ペットモードを有効にしておくと、同乗者はクラクションを鳴らしたりエンジンをかけっぱなしにしたりすることもなく、涼しく過ごせる。お利口にしていたら、戻った時にご褒美をあげてもいいだろう。

安心を与えてくれるセントリーモード

一方、当初は目新しかったある機能が、使い方を理解するまで欠点となってしまった事例もある。「セントリーモード」は車載カメラを監視カメラとして活用し、駐車時のセキュリティを確保し、安心感を与えてくれる。誰かが車両に近づきすぎるとアラートが届き、後で車内のタッチスクリーンに保存された映像を確認して、何が起きたのか把握できる。

ある晴れた朝、ノース・ノーフォークのある場所にクルマを停めていたところ、キャンピングカーが不快なほど近くに駐車したため、初めてセントリーモードが作動した。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を見なくても、何らかの接触があったことは明らかだった。メモは残されていなかった。損傷もなかったため、これ以上の対応は必要なかったが、もし出発時にはなかったへこみを見つけた場合、この機能が役立つだろう。

テスラ・モデルY
テスラ・モデルY

問題は、セントリーモードを常時オンにしていると、バッテリーが著しく消耗してしまうことだ。最初はそのことに気づかず、一晩で航続距離が約10%も減ってしまった理由に首を傾げていた。これは気候などの要因で常に変動する表示上の距離だけでなく、実際の充電残量が減っていたのだ。

ジェミニAIにバッテリー消耗の症状を説明したところ、前回の充電以降のエネルギー消費内訳が示され、原因が分かった。駐車中に24時間足らずで、航続距離が40km近くも消費されていたのだ。これに対し、車内のプレコンディショニングに消費されたのはわずか1.6km分だった。

今では、セントリーモードはデフォルトでオフに設定しており、あまり安全ではない駐車場や通りに行く時だけ使うようにしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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