高性能モデル導入も ルノー『メガーヌEテック』大規模改良へ バッテリー大型化

公開 : 2025.09.18 17:45

ルノーは2026年、『メガーヌEテック』のモデルチェンジを実施する方針です。販売急落を受け、魅力を高めるために高性能バージョンの導入も検討中とのこと。日産アリアのパワートレインを移植する可能性もあります。

ホットハッチ」とする狙いとは

ルノーは来年、EVの『メガーヌEテック』の最上位グレードとなる高性能バージョンを新たに投入する見込みだ。ビッグ・マイナーチェンジを実施し、「ホットハッチ」として位置づけようとしている。

これにはメガーヌEテックの魅力を高め、過去1年半の販売減少を逆転させる意図がある。

ルノー・メガーヌEテック
ルノー・メガーヌEテック

今月上旬、ミュンヘン・モーターショーで記者会見に応じたルノーブランドのCEO、ファブリス・カンボリーヴ氏は、メガーヌEテックを「ホットハッチ、あるいはホットカー」として再定義する方針を明らかにし、「それがわたし達の目指す方向性です」と述べた。

また、カンボリーヴ氏は記者団に対し、別の高性能モデルの導入を検討中であり、1年以内に「最初の提案」を公開すると述べた。

詳細は明かされなかったが、この2つの計画は関連するものと見られる。

アリアニスモのパワートレイン移植か

ルノーブランド最後の本格的なスポーツモデルは、2023年に生産終了したメガーヌR.S.だった。

最近、再びスポーティなモデルに着目し、限定生産のEV『5ターボ3E』を市場に投入した。最高出力540psの小型ハッチバックで、ルノーの高性能EVの開発力を示す意図があった。

14万ポンド(約2800万円)の限定生産車、5ターボ3E
14万ポンド(約2800万円)の限定生産車、5ターボ3E    ルノー

しかし、メガーヌEテックの最上位グレードに、これほどの高出力を持たせることは期待できないだろう。同じAmprミディアム・プラットフォームを共有する兄弟車からパワートレインを移植するという選択が現実的だ。

そのうち、新型アルピーヌA390向けに専用開発された470psのトリプルモーター・パワートレインがメガーヌEテックに採用される可能性は低い。しかし、日産アリア・ニスモの435psのデュアルモーターは採用候補として考えることができる。現行メガーヌEテックはシングルモーター仕様のみで、最高出力は218psに留まっている。

メガーヌEテックの最上位グレードが、『ルノー・スポール』の名称を採用するかどうかは現時点では不明だ。

カンボリーヴ氏は、ルノー・グループ内では今後もアルピーヌをスポーツカー専用ブランドとして位置づける方針を示唆した。

2月、当時のグループCEOであるルカ・デ・メオ氏はAUTOCARに対し、ルノー・スポールは「凍結状態」にあると説明した。「スポーティなものはすべてアルピーヌを基盤とします」としたものの、「だからといって、このブランド(ルノー・スポール)が復活しないとは限りません」と述べていた。

高性能車シリーズの復活の可能性について、カンボリーヴ氏はコストと需要の「適切なバランスを見出す必要がある」としている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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