3列6人乗り『テスラ・モデルY L』を日常使いしてわかった、輸入車ベストセラーになった理由 EVのストレスを可能な限り減らす

公開 : 2026.08.04 11:45

今年5月の車種別輸入車登録台数で、『テスラ・モデルY』がミニを抜いてトップになるというニュースがありました。4月に追加された3列シート6人乗りの『テスラ・モデルY L』を通じて、森口将之が売れている理由を探ります。

今はテスラにとって追い風

今年5月の車種別輸入車登録台数で、『テスラ・モデルY』がミニを抜いてトップになるというニュースがあった。

テスラは登録台数を公表していないが、ミニはもちろんフォルクスワーゲン・ゴルフBMW 3シリーズといった、輸入車の定番車種を上回ったことになる。

4月に追加された3列シート6人乗りの『テスラ・モデルY L』。
4月に追加された3列シート6人乗りの『テスラ・モデルY L』。    森口将之

ホルムズ海峡封鎖で、石油価格が不安定になったことも大きいが、経済産業省の『クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金』で、今年1月からテスラ各車の補助金が大幅アップになったこと、4月に3列シート6人乗りの『モデルY L』が追加されたこと、6月末までスーパーチャージャーと呼ばれる急速充電施設の利用を3年間無料とするキャンペーンがあったことも効いているだろう。

このうちCEV補助金については、日米優遇、中韓冷遇の色が濃いことが、あちこちで指摘されている。経済産業省のホームページを見ると、『日米関税協議の合意も踏まえて』今年1月に見直しを行ったという記述があるので、米国追従の色が濃い現政権の意向が反映されたのかもしれない。

それを含めて今は、テスラにとって追い風であることは間違いない。そのタイミングに合わせてモデルY Lを発売するのは、スペースXの新規上場で世界初の『兆万長者』になったイーロン・マスク氏の会社らしい。

ではクルマの出来はどうなのか。気になった僕は、新たに追加されたモデルY Lをテスラジャパンからお借りすることにした。

モデルYより長くなったぶん、自然なプロポーションに

モデルY Lの外寸は全長はモデルYより170mm長い4970mm、全高は45mm高い1670mmで、ホイールベースも150mm伸びて3040mmになった。全幅は1920mmのまま。日本車で言えばマツダCX-80に近いボリュームだ。

スタイリングは相変わらずシンプル&クリーン。3列シートでありながら、ルーフはきれいな弧を描いていて、モデルYより長くなったぶん、自然なプロポーションになったような気がする。

ルーフはきれいな弧を描き、モデルYより長くなったぶん、自然なプロポーションになった。
ルーフはきれいな弧を描き、モデルYより長くなったぶん、自然なプロポーションになった。    森口将之

ディテールで目についたのは、モデルYにも2025年のマイナーチェンジで採用された、拡散反射技術を用いたボディパネルテールライト。間接照明っぽい光り方で、テスラらしい先進性をさりげなく入れた技に感心してしまった。

キーはカード型で、車両に近づくと自動的にロックが解除されるが、同じ機能をスマートフォンの専用アプリに入れることも可能。アプリでスーパーチャージャーの充電状況などを見ることもできるので、結局カードキーは一度も使わなかった。

インパネは最新のモデルYと同じで、ドライバーの前にメーターはなく、シフトレバーを含めてセンターディスプレイに統合されている。

ドアを開けた時点でスイッチはオンになっていて、シートベルトを閉めブレーキペダルを踏むと自動的にDレンジに入り、発進OKとなる。バックで車庫入れするような状況で同じ動作をすると、カメラで周囲をチェックしているようで、Rレンジに入る。

手動でセレクトするときは、センターディスプレイ右端のクルマの表示を上下にスワイプすればいい。縦列駐車でDとRを交互に選ぶときなど、扱いやすかった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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