8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性

公開 : 2024.11.21 19:05

硬めの乗り心地 アウディらしい実力派

全体的には淡泊な印象で、運転で得られる充足感が高いわけではない。それでも、想像より機敏に走れることは間違いない。

乗り心地は硬め。前輪駆動の試乗車には、選択肢では最小となる17インチ・ホイールが組まれていたが、低速域では揺れが目立っていた。高速域ではしっとりさが増すものの、このクラスでは引き締まった側にある。

アウディQ2(英国仕様)
アウディQ2(英国仕様)

アルミホイールは、Sラインやブラックエディションでは18インチへ拡大する。他方、マルチリンク式のクワトロでは快適性で一枚上手。燃費は、17インチ・ホイールの30 TFSIで17.2km/Lがうたわれる。

手頃なサイズ感で、充分な実用性と快適性を備え、落ち着いた運転体験を得られるアウディQ2。登場から8年が経過しても、まだ魅力的な選択肢といえる。楽しい走りを味わえるわけではないが、凛々しいスタイリングに惹かれる人も多いはず。

このクラスでは、コスパに優れた競合が少なくない。特にカントリーマンやルノー・キャプチャーなどは、優れたパッケージングで訴求力は勝るように思う。だが、アウディらしい強みは備わり、街なかで頻繁に目撃するだけの実力派なことは間違いない。

◯:安心感のある操縦性 上質なインテリア 入門グレードの訴求力
△:全体的に印象は淡泊 やや息苦しさのあるエンジン 上級グレードはお高め

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    キースWRジョーンズ

    Keith WR Jones

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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