【2代目の完成形】ボルボXC90がビッグマイナーチェンジ!細部に神を宿して世界100万台目前

公開 : 2025.02.17 12:05

2月13日、ボルボ・カー・ジャパンは、ビッグマイナーチェンジされたフラッグシップ 7シーターSUV『ボルボXC90』の日本仕様を発表。同日より発売を開始しました。発表会の模様を篠原政明がレポートします。

2024年は過去最高の年間販売台数を記録

2月13日、ボルボ・カー・ジャパンは、ビッグマイナーチェンジされたフラッグシップ 7シーターSUV『ボルボXC90』の日本仕様を発表。同日より発売を開始した。

お披露目に先立って、ボルボ・カー・ジャパンの不動奈緒美代表取締役社長から最近のボルボ社の状況についてプレゼンテーションが行われた。

ビッグマイチェンを果たした2代目ボルボXC90。右はボルボ・カー・ジャパンの不動奈緒美代表取締役社長。
ビッグマイチェンを果たした2代目ボルボXC90。右はボルボ・カー・ジャパンの不動奈緒美代表取締役社長。    平井大介

2024年、ボルボは世界的に好調だった。同年の年間販売台数は76万3389台と、過去最高を記録したのだ。しかも電動化も順調に進んでいる。全販売台数のうち、EV(純電気自動車)は23%(前年比54%アップ)、PHEV(プラグインハイブリッド車)も23%(同16%アップ)と、EVとPHEVの合計で46%と半分に迫る勢いとなった。

日本においても、EVとPHEVの販売比率は30%を達成して、世界平均には及ばないものの電動化は進んでいるといえるだろう。

かつて『2030年までに世界での新車販売のすべてをEV化する』と謳ったボルボだったが、世界的な状況を鑑みて2024年9月に『2030年時点で世界での新車販売の90%以上をEVまたはPHEVにする(残りはMHEV=マイルドハイブリッド)』と目標を修正した。このあたりは、大メーカーとは異なって小回りの効くボルボらしい方針転換といえるだろう。

実際、その目標には確実に向かいつつあるようだ。電動化の歩みを止めずに、EV、PHEV、そしてMHEVをバランス良く販売する。その結果が、2024年の年間販売台数の過去最高記録につながったというわけ。

先日、スウェーデン本国では『EX30クロスカントリー』が発表されたばかりだが、ここ日本ではフラッグシップとなる7シーターSUVの『XC90』がいよいよビッグマイナーチェンジされ、満を持して発表された。

『神は細部に宿る』を具現化してディテールにこだわる

XC90は初代が2002年に発表され、現行型は2015年に発表(日本仕様は2016年に発売)された2代目にあたる。現行型は2024年内には世界で100万台の販売台数を達成する見込みで、日本でも今までに1万台以上が販売されている。しかもデビューから10年近く経つのに、毎年コンスタントに1000台以上が販売されているロングセラーモデルなのだ。

今回、まず大きく変わったのはエクステリアデザイン。特にフロントまわりは2方向から伸びる車線が重なり合うグラフィカルなパターンを取り入れたフロントグリル、マトリックスデザインLEDを採用してスリムになり、EVを彷彿とさせるトールハンマーヘッドランプ、彫刻的なボンネットや改良されたバンパーなどで、より現代的でダイナミックなスタイルに進化した。

大きく変わったエクステリアデザイン。現代的でダイナミックなスタイルに進化した。
大きく変わったエクステリアデザイン。現代的でダイナミックなスタイルに進化した。    平井大介

現代的なスカンジナビアンデザインの粋を集めて、インテリアも刷新された。『神は細部に宿る』の言葉どおり、ドアハンドルやシフトノブ、エアコンの吹き出し口などディテールにこだわっている。直線的なダッシュボードは100%リサイクル素材のテキスタイルとウッドを組み合わせている。

センターディスプレイは従来型の9インチから11.2インチに大型化され、ピクセル密度も21%向上。操作性と視認性が大幅に進化している。

シート地も『ウルトラ』はファインナッパレザー、『プラス』はリサイクル素材+バイオ素材のノルディコ、さらにオプションで100%リサイクルポリエステルのネイビー ヘリンボーンウィーブテキスタイルを設定している。

上質で快適な空間を盛り上げる『バウワーズ&ウィルキンソン』のHI-FI オーディオシステムもオプション設定。19個のスピーカー&サブウーファーが1410Wの高出力で臨場感のあるサウンドを実現している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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