ベントレーEXP 10スピード6を初披露

公開 : 2015.03.03 22:50  更新 : 2017.06.01 02:10

ベントレーはこれまで、アストン・マーティンやフェラーリマクラーレンに対抗すべく、2シーター・スポーツの開発を示唆してきた。そして、いよいよ今回のジュネーブ・モーターショーで初めて姿を現した。

EXP 10スピード6と呼ばれるこのコンセプト・モデルは、現段階では実験的な立ち位置。デザインはカスタマーの意見を盛り込み、同時に更なるフィードバックを求めて将来のモデルに反映するとのことだ。

「ベントレーのビジョンを表現しました」と話すのはベントレー・モータースCEOのウォルフギャング・デュルハイマー氏。「高級2シーター・スーパーカーの頂点となるポテンシャルを秘めています」と続ける。

デュルハイマー氏曰く、実際に市場に投入されるのは、向こう3年になるとのこと。引き続き生産されるコンチネンタルGTの傍らで£120,000(2,214万円)程度の車両価格が有力視される。

「単なるスポーツカー・コンセプトなどではなく、ベントレーの約束された将来を表現したモデルなのです」とデュルハイマー氏。「卓越した動力性能にスリル、ベントレーならではの高級感、扱いやすさを兼ね備えています」

まだ正式ではないが、使用するアーキテクチャはフォルクスワーゲンMSBプラットフォームとなることが有力。同グループのアウディにも使用され、多くのセグメントを跨いで使用できる柔軟性が特徴だ。

同時にハイブリッド・パワートレインが採用されることになると明かされている。詳細は一切公に出ていないものの、もっとも有力なパワー・ユニットは507psのアウディ・ソースの4.0ℓ V8となる可能性も高い。

同時に最高速度が322km/hに及ぶ、他のベントレー・モデルがもつパワー・ユニットの搭載も有力視される。今回のジュネーブ・モーターショーでは「将来のベンチマークになることは確実だ」とのみ明かされている。

もちろんベントレー自身も、これまで以上に広い層の顧客を受け入れる必要があることは既に気づいている。例えばロールス・ロイスが4×4モデルを導入したように新たな ’飛び道具’ は必須なのである。

EXP 10スピード6のボディ形状は、まず先にエアロダイナミクスが優先されている。ベントレー自身も、飛行機の胴体や翼から、形状のヒントを得たことを認めている。

短いフロント・オーバーハングや長いボンネット、低く構えたフロント・グリルやワイドなリアのデザインは、すべてパフォーマンスを優先させた結果なのだという。クラシック・ベントレーに見られたデザインの解釈にも抜かりはない。

また、グリル・メッシュやエグゾースト、ドア・ハンドルやサイド・ベントなど、また3Dメタル・プリンティングをはじめとする新しい技術の導入にも力を入れている。

特にフロント・メッシュなどは、これまで以上に手の込んだ造形となっている。同様にヘッドライト・ガラスも、キャビンのレザー・テクスチャーと呼応させたりとディテールの追求に妥協は一切ない。

ドア内張りのウッドの使い方も同様。サクラの木を直接加工することによって画像のような特徴的な模様を浮き出させている。形状の新しくなったダッシュボード中央には、曲面を使用した12インチ・タッチスクリーンも設えられる。

もちろんベントレーを名乗るにはグランド・ツアラーたる要素も必須というもの。したがって、ビスポークのラゲッジ・セットもリア・シート後部にセットされている。

コンチネンタル・フライング・スパーとミュルザンヌの間に位置するサルーンの追加や、来年発売予定のフルサイズSUVであるベンテイガよりも小さいコンパクトSUVの投入など、車種展開に力を注ぐベントレー。

2013年の売上は10,000台ということだが、2020年までに20,000台を超える目標を打ちたてたデュルハイマー氏の手腕にこれからも目が離せない。

▶ 2015 ジュネーブ・モーターショー

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