ルノー・オーストラル改良版(1) フォルクスワーゲン・ティグアンと競合 合計15速の1.2ハイブリッド

公開 : 2026.02.02 18:05

ティグアンの競合、ルノー・オーストラル エンジンに5速AT、モーターに2速ATを組んだ1.2L HV 華やかでハイテク感漂う車内 日常で滑らかな加速に軽快な回頭性 乗り心地は硬め UK編集部が試乗

デュアリスとプラットフォーム共有

4 E-テックと5 E-テック、2台のバッテリーEVで上昇基調にあるルノー。だが、エンジンモデルも軽視はしていない。2023年には、日産キャシュカイ(旧デュアリス)やフォルクスワーゲンティグアンの競合となる、オーストラルを投入している。

ところが、自然さに欠ける操縦性が影響してか、売れ行きは芳しくなかった。しかし、2026年仕様としてアップデート。確かな好転が狙われている。

ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)

オーストラルのプラットフォームは、キャシュカイと共有するが、ボディやインテリアなどから受ける印象は別物。ハイブリッド・パワートレインも、大きく異なる。

スタイリングは、全体的な印象はそのままに、フロントマスクを一新。コの字ではなく横に長いスリムなヘッドライトと、くの字状のデイライトを得ている。ルノーのロゴを反復させたパターンの、グリルも新しい。

エンジンに5速AT、駆動用モーターに2速AT

全長4533mm、全幅1830mmのボディを引っ張るのは、1.2L 3気筒ガソリンターボエンジンと、駆動用モーター。アップデートで駆動用バッテリーは容量が増え、エアコンで最適な温度が保たれるようになっている。サスペンションも、ダンパーが新しい。

フランス本土などには、マイルド・ハイブリッドも提供されているが、英国に届けられるのはフル・ハイブリッド。選択肢が多い方が、ユーザーは喜ぶと思うのだが。

ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)

基本的な内容は、ルノーの「E-テック」ハイブリッドとして共通。だがエンジンには、従来より1段多い5速ATが組まれ、駆動用モーターには2速ATが組まれる。両者で2基は共有されており、合計15速という複雑な構成を得ているのが特徴だ。

改良前の上級グレードには後輪操舵システムが備わり、小回りの良さが自慢といえたが、自然な操縦性とはいえなかった。その声へ応えるように、今回の改良では省略。同時に、リアサスペンションはマルチリンクからトーションビームへ変更された。

華やかでハイテク感漂うインテリア

インテリアは、キャシュカイより華やかで、ハイテク感漂うデザイン。それでいて、ダッシュボードには実際に押せる物理スイッチも多く残り、エアコンは簡単に操作できる。ステアリングホイールのリムにも、物理スイッチが並び好ましい。

センターコンソールは、グラブハンドルがある大胆な造形ながら、駆動用バッテリーがその下に隠れており、小物入れは小さい。カップホルダーにペットボトルを置くには、スマートフォン用トレイをスライドすることになり、小物入れを塞いでしまう。

ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)

内装の素材は、概ね上質。フロントシートは、座面の角度を変えられないものの、マッサージ機能が内蔵され座り心地は良い。

ステアリングコラムには、シフトセレクターとワイパーだけでなく、ラジオなどメディア用のレバーが並ぶ。慣れるまでは、違うレバーへ触れてしまうことがあった。ダッシュボード側に、ボリュームのノブは欲しいところ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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