ライバルを抑える競争力 ルノー・オーストラル改良版(2) 滑らかなハイブリッドに好印象

公開 : 2026.02.02 18:10

ティグアンの競合、ルノー・オーストラル エンジンに5速AT、モーターに2速ATを組んだ1.2L HV 華やかでハイテク感漂う車内 日常で滑らかな加速に軽快な回頭性 乗り心地は硬め UK編集部が試乗

普段使いならスムーズなハイブリッド

1.2L 3気筒ハイブリッドを積む、ルノー・オーストラル。少々複雑なATを実装し、発進は81psの駆動用モーターが担う。20km/hへ届く頃にエンジンが加勢を始めるものの、鋭いダッシュ力には至らない。0-100km/h加速は、8.4秒がうたわれる。

エンジン側の5速ATにはトルクコンバーターがなく、スターター・ジェネレーター(ISG)が回転数を調整しながらギアをかませるため、変速はややのんびり。次のギアへ切り替わるまでの0.5秒ほどは、駆動用モーターがつなぐ。

ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)

結果的にフル加速時には、変速の度に勢いが大きく変化することになる。100km/h以上では特に。それでも、日常的な条件ならとてもスムーズ。駆動用モーターはギャップを埋めるのに充分なパワーがあり、シームレスに速度は高まる。

3気筒ターボエンジンは、回転も滑らか。1.7kWhの駆動用バッテリーを充電するため、不意に始動することはあるが。ノイズが目立つのは、全力を求めた時くらいだ。電気だけで走れる距離は、通常のハイブリッドとしては長めといえる。

調整できる回生ブレーキ 軽快なコーナリング

バッテリーEVではないが、ステアリングホイールの裏には回生ブレーキ用のパドルが備わる。変化は小さいものの、効きを調整できるのはうれしい。ブレーキペダルの踏み心地は柔らかめで、制動力の立ち上がりは若干唐突ながら、すぐに慣れる範囲だろう。

癖のあった後輪操舵システムは、2026年仕様ではお別れ。同時に、リアサスペンションは従来的なトーションビーム式になったものの、操縦性は明らかに改善した。

ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)

ステアリングの反応は漸進的で予想しやすく、ファミリーSUVとして回頭性も好ましい。カーブで負荷が高まると、安心感を増すように操舵感が重くなり、フロントタイヤの情報を僅かに感じ取れる。ボディロールも小さい。

タイヤの幅は235あり、グリップ力も優秀。前輪駆動のSUVだから、運転が楽しいとまではいえないものの、連続するカーブを軽快に駆け抜けられる。

落ち着きに欠ける乗り心地 燃費は良好

やや落ち着きに欠ける乗り心地は、更に磨ける部分。エントリーグレードでも19インチと、大径なホイールが足を引っ張っている。走行時の車内は、充分に静かなのだが。

制限速度警告や車線維持支援など、運転支援システムの機能を登録し、オン/オフを選べるボタンは便利。アダプティブ・クルーズコントロールは、もう少し滑らかに速度調整して欲しいところ。通常のクルーズコントロールには切り替えられない。

ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)
ルノー・オーストラル 1.2 E-テック・アイコニック・エスプリアルピーヌ(英国仕様)

オーストラルを約1週間走らせた平均燃費は、約18.0km/L。日産キャシュカイ(旧デュアリス)と同等の効率を得ている。高速域で燃費が伸びやすいのは、強みになる。

英国価格は、廉価グレードのテクノで3万4695ポンド (約722万円)から。お高めの設定だが、充実した装備を考えると納得できる。ほぼオプションが埋まる、試乗車のアイコニック・エスプリアルピーヌは、3万8695ポンド (約805万円)へ上昇する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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