【価格は驚異の約240万円~】中国で発売前の日産新型EV『N7』試乗!予約開始日に1万138件を受注する人気っぷり

公開 : 2025.05.15 11:45

流行を取り入れた内装、気持ち良い走り

フラットなダッシュボードに巨大なスクリーン、それに直角で交差する携帯端末用無線充電パッド付きセンターコンソールという設計も、これまた中国の最新EV的要素だ。

エアコンやメディアの操作は物理ボタンではなく15.6インチディスプレイに集約し、シンプルで広々とした空間を実現。これに加えてインストルメントパネルを10.25インチのディスプレイに置き換えることで、先進性も演出する。センターコンソールボックスは加熱、冷蔵機能つきの収納となっており、車載冷温庫が流行っている中国市場のニーズを反映している。

エアコンやメディアの操作は物理ボタンではなく15.6インチディスプレイに集約。
エアコンやメディアの操作は物理ボタンではなく15.6インチディスプレイに集約。    加藤ヒロト

今回は出力268 hp、最大トルク305 Nmの上位モデルを試乗したのだが、シングルモーターながらしっかりとした気持ちの良い加速を感じた。ちなみに下位モデルでは出力が214 hpまで落ちるものの、トルクは同数値だ。

乗り心地は日本基準で見ると硬めかもしれないが、舗装路面の亀裂や凹凸に起因する突き上げ感は上手に処理している印象。中国の新興EV車種では不自然にバネが柔らかくて酔ってしまう車種が多いが、N7ではそこも心配いらずであった。

モデルレンジはバッテリー容量58 kWh/モーター出力214 hpの『510』と、73 kWh/268 hpの『625』をベースに、装備の異なる『Air』(510のみ)、『Pro』、『Max』を設定する計5グレード展開となる。

メーカー希望小売価格は冒頭に記した通りだが、Dセグメントのセダンでここまでの機能と質感を低価格で実現したのには素直に驚きを感じた。トヨタが先立って中国で発売した純電動SUV『bZ3X』もそのコストパフォーマンスを理由に大変好調で、N7もこれに続く新たな日系ヒット車種となりそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    加藤ヒロト

    Hiroto Kato

    山口県下関市生まれ、横浜在住。慶應義塾大学環境情報学部に在学するかたわら、各自動車メディアにて「中国車研究家」として中国の自動車事情について「クルマ好き」の視点で多様な記事を執筆する。また、自費出版で中国モーターショーのレポート本「中国自動車ガイドブック」シリーズも手掛けている。愛車は1998年型トヨタ カレンと1985年型トヨタ カリーナED。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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