次期アウディA8、自動運転システムを搭載

公開 : 2015.03.11 22:30  更新 : 2017.12.14 12:31

アウディの内部関係者によると、”自動運転システムをサポートする電気アーキテクチャーの更なる煮詰め直しが必要となった” とのこと。

これこそ、次期アウディA8の開発が遅れてしまった原因なのではないかとAUTOCARは考えている。

またR&D部門のボスであるウルリッヒ・ハッケンバーグ氏は、”同システムを司る中央演算処理装置は現段階ではかなり高価であるが、生産レベルに達すれば価格低下も見込める” と話している。

価格が低下すれば、フォルクスワーゲン・ゴルフが属するクラスでも自動運転システムの導入が可能となり、向こう10年内には、クラスを問わず様々なクルマが自動運転される社会も簡単にイメージできる。

また、アウディのルパート・シュタートラー会長は、”全世界を見わたせば、高級フラッグシップ・モデルを受け入れてくれるマーケットはまだまだたくさん残っている” ともわれわれに語ってくれた。

現時点では中国とヨーロッパのマーケットが12〜14%のフラッグシップ・モデルの売上を占めているが、南アメリカにもターゲットを広げていくとの意向をはっきりと示した。

同時に、BMWのiモデルのようなサブ・ブランドの設立はないとする発表をした。優れた燃料消費率に特化した ’メーカー分け’ は、どうやらアウディのお気に召さないようである。

同時に否定したのが、カーシェアリング・サービスの導入。これに関しては、”カーシェアに使用されるクルマは汚くなりやすく、また壊れやすくもある” とし、”われわれの求めるプレミアム・エクスペリエンスとは程遠い” と締めくくった。

またフォーミュラE(化石燃料を使用しないフォーミュラ・カー選手権)の参戦に関しては ”非常に興味がある” とした一方で、F1の参戦に関しては ”噂の域を出ない” ろコメントした。

”今現在の時点では、フォーミュラEに使用できるコンポーネンツが非常に限られているが、ここから先にルールが変わることが予想される。その時にわれわれは厳密な答えを出す予定だ” とも付け加えた。

アウディA8の話に戻すと、”2017年の正式なローンチ時には、ロサンゼルス・モーターショーで公開したアウディ・プロローグ・コンセプトに近い、これまでとは全く異なったデザインになっている” と答えた。

また、ハッケンバーグ氏いわく、”アウディにおけるマーク・リヒト・デザイン・チーフにとっての初めての仕事として、新しいA8のデザインを任せたのです。プロローグ・コンセプトはその予告編と捉えてください” とのこと。

プロローグ・コンセプトはアウディのデザインの次のステップの象徴であると同時に、2016年の終わりにデビューするA8に大きく影響を与えるでしょう”

”もちろん次世代のA6やA7にも同じようなデザイン言語が与えられる予定です。なかでもA8は、フロント・マスクやインテリアが特に、プロローグから大部分を受け継ぐことになるでしょう”

”私自身、浮世離れしたコンセプトカーが好きでないことからも、プロローグ・コンセプトはかなり現実的なデザインにしています。つまり、コンセプトから市販車に進化させるにあたって、大きく様変わりすることはないと思っていただいて結構です”

なおアウディは、すでに新しいデザイン言語を準備しているのだそうだ。”私がアウディに入社した当時のデザインを尊重したものになる予定です” とハッケンバーグ氏は続ける。

”だからといって旧態依然としたものではなく、多くの新しい試みも盛り込んでいくつもりです”

”デザインを次の段階までステップアップさせることはとても難しいことですが、リヒトにはそれをやり遂げられる能力と勇気がそなわっていると私は思うのです”

Q7やA4にも新しい時代の幕開けを象徴するデザインが施されるとのこと。

ハッケンバーグ氏いわく、’もっと早くやりたかった’ のだそうだが、2016年にA8がデビューする前に、これら2台もデビューする予定だ。

技術的な部分はすでにテストが始まっているのだそうだ。

プラットフォームは、A8よりも先にデビューするQ7と同じ、MLBを採用する予定。

ちなみにMLBプラットフォームは、フォルクスワーゲン製のMSBプラットフォームとは別物である。

MSBは、2世代目のポルシェパナメーラや3世代目のベントレー・コンチネンタルGTに使用されるため、事実上フォルクスワーゲン・グループは2種類のフル-サイズ用プラットフォームを所有することになる。

写真を見てみると、外観こそ現行のA8を改良したものとなっているが、組み合わされているプラットフォームはMLBに変わっている。

横幅はややストレッチされているように見えるが、おおまかなディメンションはほとんど現行のA8と変わらないようだ。

ガソリン・エンジンは、最新型のV6と、シリンダー-カット機能を持つ改良版のV8、さらにユーロ6に適応するW12が用意される。またこれらに加えて4気筒のエンジンも用意される見通しだ。

アウディの技術力を示すために、メルセデス・ベンツS500プラグ-イン・ハイブリッドのライバルにあたる、プラグ-イン・ハイブリッド版も用意されるとのこと。噂によると、R8 e-トロンの技術を取り入れたテスラモデルSの開発も進められているようだ。

関連テーマ

おすすめ記事

 

アウディの人気画像