【大型免許、取得しました】第1章:クルマ好き自動車ジャーナリスト(修行中)の黒木美珠が『12メートルの世界』に挑戦

公開 : 2025.07.01 11:45

12メートルとの対峙――教習で見えた『真のサイズ感』

さて、申し込みから3ヵ月、待ちに待った教習初日。クルマを駐車場に停め、受付へと向かいます。普通車の教習を受けていた学生の頃は教習所の送迎バスを利用していたため、自分のクルマで教習所へ来るというのは新鮮でした。

教習棟へ向かう途中、教習車がずらりと並ぶスペースを通ります。普通車、準中型車、中型車と順に並ぶ中で、ひときわ圧倒的な存在感を放っていたのが大型車両でした。

いすゞ・ギガの運転席。サイトには『国内トラックファーストクラスの快適空間』と紹介される。
いすゞ・ギガの運転席。サイトには『国内トラックファーストクラスの快適空間』と紹介される。    いすゞ

見上げるようなスケール感。横に立ってもフロントガラスの下端が私の目線より高く、車内の様子すらうかがえません。
「今日から、これを運転するのか」
日頃、たくさんのクルマに触れていることもあり、申し込み時にはどこか根拠のない自信もあったのですが、この瞬間初めてわずかな緊張感が芽生えました。

教習原簿(この響きすらどこか懐かしい)を受付で受け取り、授業開始2分前のチャイムとともにいよいよ教習車の元へ。教官に挨拶をし、まずは車両周りの安全確認の手順から教わります。

フロントライトやサイドマーカー、リアライトは正常に点灯するか、車両下部に異物がないか、フロント下部からオイルなどが漏れていないかを順にチェックしていきます。ただクルマの周りを1周するだけでも、一軒家の外周をぐるりと歩いたかのような歩数に。やはり、大型車両のスケールは普通車とはまったく異なる。その事実を最初の点検から思い知らされました。

教官の指示で、いよいよ車内へ乗り込みます。ドアハンドルは頭の上にあり、腕を伸ばしてようやく開ける位置。サイドに備え付けられたアシストグリップを両手でしっかりと握りながら、3段あるステップを一段ずつ上がってキャビンへと乗り込みます。座席に腰を下ろした瞬間、視界が一変。目線の高さはおよそ2メートルを超え、地上から見ていた教習所の風景が、一変。校内の奥の方まで見渡せました。

横に視線を移すと、助手席に座る教官との間隔もかなり広く、手を伸ばしても肩に届かないほどでした。もはや「運転席」というより、「操縦席」という表現のほうがしっくりきます。

――次回はいよいよ、実際にハンドルを握っての教習の様子をお届けします。

記事に関わった人々

  • 執筆

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。
  • 撮影

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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