カリスマチック回転上昇 ベントレー・ベンテイガ・スピード(2) 1点除き際立つ孤高さ
公開 : 2025.07.15 19:10
6.0L W12から4.0L V8へ刷新されたベンテイガ・スピード 車内の精巧なハードスイッチ 颯爽と高域へ吹け上がる特性がカリスマチック 精彩なステアリング 運転の喜びを享受できるSUV UK編集部が試乗
もくじ
ー颯爽と高域へ吹け上がる特性がカリスマチック
ースピードとの相性が良好なベントレー・モード
ーハッとするほど精彩なステア 運転する喜び
ーオススメし難い23インチ 孤高さが際立つSUV
ーベントレー・ベンテイガ・スピード(欧州仕様)のスペック
颯爽と高域へ吹け上がる特性がカリスマチック
新たに4.0L V8ツインターボエンジンで再始動となった、ベントレー・ベンテイガ・スピード。0-100km/h加速3.4秒という驚異的な速さを実現しているが、それ以上の価値があるといって良い。颯爽と高域へ吹け上がる特性が、カリスマチックだ。
最大トルクは、W12エンジンの91.6kg-mから86.5kg-mへ若干細くなり、発生回転域も1500rpmから2250rpmへ変化している。繊細なドライバーなら、その違いへ気付くかもしれないが、殆どの人はシフトダウン不要のたくましさへ魅了されるはず。

コンチネンタルGTが、スピードでプラグイン・ハイブリッド(HV)になったことを考えると、非ハイブリッドのV8ツインターボは、少し時代錯誤に思えなくもない。だがこれが、オールドスクールな充足感を生んでいる。
アクラポビッチ社製のマフラーは、SUVには少しにぎやかすぎるかもしれない。しかし、反応の良いアクセルペダルを傾ければ、壮大な音響にベンテイガは包まれる。
スピードとの相性が良好なベントレー・モード
8速ATのマナーは出色。通常のベンテイガより大径のターボが組まれ、ブースト圧も高いが、至ってシームレスに加速は続く。ブレーキペダルの反応は一貫性が高く、感触も素晴らしい。プラグインHVと異なり、回生ブレーキが介入しないことが効いている。
センターコンソール上の、ローレット加工されたダイヤルでドライブモードを切り替えられる。出番が多いのは、コンフォートとスポーツ、ベントレー・モードだろう。

サスペンションは、コンフォート・モード時が最も快適性重視となるが、僅かに引き締まるベントレー・モードの方が、スピードとの相性は良好。姿勢制御は見事といえ、操縦性が引き上げられる。乗り心地も、明らかに悪化するわけではない。
反面、23インチ・ホイールを包むタイヤは肉薄。バネ下重量もかなり増えるようで、路面の凹凸を完全には排除しきれないようだった。
ハッとするほど精彩なステア 運転する喜び
ステアリングホイールの反応は、ハッとするほど精彩で、自信を抱かせるほど正確。高速道路では、カーブで僅かにボディを傾けつつ、安定の衝撃吸収性を披露する。運転する喜びへ浸らせてくれる、ラグジュアリー大型SUVだといっていい。
ベンテイガでは、スピードで初採用となった後輪操舵システムも優秀。車重は2466kgあるが、一層の扱いやすさへ結びつけている。とはいえ、アストン マーティンDBXの方が情感豊かで、より走りを楽しめるけれど。

燃費は、非ハイブリッドということで期待しにくい。大人しく走らせて7.0km/Lほど。積極的に右足を傾けると、5.0km/L台へ入ってしまう。
お値段は、英国ではアストン マーティンDBX Sやランボルギーニ・ウルス SEと同等。ロールス・ロイス・カリナンやフェラーリ・プロサングエは、桁違いに高い。納得の範囲にあるといえる。






















































































































































