ディフェンダーへの対抗馬 BYDが新型高級SUV『B5』一般公開 ハイブリッドとして欧州導入

公開 : 2025.07.15 18:45

BYDはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて新型『B5』を一般公開しました。来年欧州に導入予定の大型SUVで、合計出力686psのプラグインハイブリッド・システムを搭載しています。

686馬力のPHEV デンツァから販売

BYDは、7月10日に英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、新型の高級SUV『B5』を一般公開した。来年から欧州市場で販売される予定だ。

新型B5は昨年、中国でSUV専門サブブランドのファンチェンバオ(方程豹、Fangchengbao)から『Bao 5』として発売されたが、欧州ではデンツァ(騰勢、Denza)ブランドから販売されることになる。

グッドウッドのヒルクライムで走りを披露する新型『B5』
グッドウッドのヒルクライムで走りを披露する新型『B5』    AUTOCAR

ランドローバーディフェンダー110のライバルと位置付けられ、優れたオフロード性能とスーパーカー並みのパワーを備えているとされる。

B5の導入により、BYDはパワートレインのラインナップを多様化し、新たな市場セグメントを開拓する狙いだ。同社のステラ・リー社長は昨年、AUTOCARのインタビューで、新しいSUVは「英国で非常に人気が出るでしょう」と語っている。

特に英国では、ディフェンダーのような大型高級SUVの人気が高いが、BYDはこれまでこうしたモデルを投入してこなかった。リー氏はその需要に期待し、「英国の道路は狭いですが、このような大型のSUVオフロード車が愛されています。そのため、ファンチェンバオは英国市場に投入されるでしょう」とした。

B5の仕様詳細については未確認だが、中国仕様車とほとんど変わらないと予想される。中国で販売されているモデルは、『DMOスーパーハイブリッドオフロード』と呼ばれるラダーフレームプラットフォームを採用し、1.5Lターボエンジンと2基の電気モーターで構成されるプラグインハイブリッド・システムを搭載する。

合計出力686psと最大トルク77.5kg-mを発生し、ディフェンダーのパワーを上回る。

構造の一部としても機能する31.8kWhの大容量バッテリーにより、中国のCLTCサイクルで最大125kmのEV航続距離が可能とされているが、実環境での距離は80km前後になるだろう。

欧州でのEV普及が減速する中、BYDはハイブリッド車のラインナップを大幅に拡大しようとしている。今回のB5に加え、来年はさらにBMW 3シリーズに相当するプラグインハイブリッドのセダン/ステーションワゴン『シール06』を導入する予定だ。

シューティングブレイクのデンツァZ9 GTも、プラグインハイブリッドまたは純EVモデルとして販売される。

BYDはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、今後欧州市場に投入する複数の新モデルを披露している。

記事に関わった人々

  • フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事