【大型特殊免許の一発試験に挑戦】費用は10分の1!黒木美珠が感じたメリットとデメリット

公開 : 2025.08.18 11:45

『一発通過』じゃなくても、メリットたくさん

さて、緊張の初回は、速度不足と右左折時の寄せ不足を指摘され、減点超過で終了。

不合格でも技能指導はないので、次の試験に向けて自分で準備する必要があります。

こちらはコマツWA320-7。こんな風に扱えるようになれたら! 夢が膨らみます。
こちらはコマツWA320-7。こんな風に扱えるようになれたら! 夢が膨らみます。    コマツ

本当だったら1回目の前にコックピット画像などを確認して置ければよかったのですが、取り急ぎ車名をメモして、帰宅後にメーカーホームページやYouTubeを使って勉強しました。

2回目は操作位置を把握した上で臨み、コースを完走しましたが、『左寄せ不足』で不合格となりました。自分ではかなり寄せたつもりでしたが、実際には体感上、脱輪ギリギリに感じるくらいまで寄せないと『寄せた』と判断されないようです。

3回目は左寄せを徹底し、水捌けのラインぎりぎりまで寄せて走行した結果、無事に合格判定!

合格後は全員の試験が終了するまで待合室で待機します。その日の受験者は普通免許や準中型免許、大型免許などの受験者が併せて40人ほどいましたが、最終的に合格したのは私を含め3人だけ。一発試験の合格率の低さを改めて実感しました。

様々な手続きを済ませ、新しい免許証を手にできたのは試験開始約3時間後の正午過ぎでした。

このスピード感は魅力ですが、一発試験の最大のメリットは、費用でしょう。

大型特殊の場合、受験料は1回4550円で、私は3回の受験で合格できたため合計で1万3650円。免許交付手数料約2000円に交通費を加えても、教習所で大型特殊免許を取得する場合の約13万円に比べるとおよそ10分の1で収まりました。

一方、デメリットも明確です。

一発試験では教習所と異なり、操作についての質問や教育は一切行われません。安全確認の不足や操作ミスがあれば、即座に試験中止。教習所なら運転のコツや車両ごとの注意点、安全確保の方法を体系的に学ぶことができます。日常的に運転する場合や実際に業務で使用する場合は、教習所でしっかりと学んでから公道に出ることが、自分自身と周囲の安全のためにも望ましいと感じました。

一発試験は、合格率が高いとされる大型特殊であっても決して簡単ではありません。それでもしっかり準備し、何度か挑戦すれば取得が可能です。

挑戦する過程そのものが運転スキルや理解を深める貴重な経験となりましたし、ホイールローダーの運転フィールが想像以上に面白く、もっと運転したくなりました。近い将来、さらにいろいろな大型特殊車両を操縦する機会を見つけたいです。

記事に関わった人々

  • 執筆

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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