英国で整備不良のクルマが急増 MOT(車検)も機能不全? 安全性に「深刻な懸念」

公開 : 2025.08.19 18:45

英国で昨年、公道における安全基準に適合しない車両が50%増加し、1万3109人が違反と判定されました。中でも、タイヤの状態が悪いまま走行しているケースが目立ちます。MOT制度の改革を求める声も上がっています。

タイヤの状態に赤信号 制度改革求める声も

英国で昨年、公道走行に適さない整備不良の車両を運転したとして罰則を受けた人の数は前年(8614人)から約50%以上増加し、1万3109人に達した。

特に問題視されているのはタイヤの安全性で、8495人のドライバーがタイヤの状態を理由に違反となった。一方、ブレーキの故障と判定されたのは1190人で、前年の181人から約6倍に急増した。

違反者のうち、タイヤの状態が「安全ではない」と判定されたドライバーが最も多かった。
違反者のうち、タイヤの状態が「安全ではない」と判定されたドライバーが最も多かった。

RAC(英国自動車協会)によると、「これは氷山の一角に過ぎない」とのことだ。

この問題について、RACの出張整備責任者ニック・ミュレンダー氏は次のように説明している。「安全ではない車両を運転しているドライバーが増えている可能性があり、懸念すべき事態です。ただし、警察の取り締まり強化により、摘発されるドライバーが増えたという可能性も考えられます」

こうした摘発件数の増加の背景には、車両整備状況の悪化の傾向がある。昨年、英国のMOT(車検)でタイヤの不合格となった車両は過去最多を記録した。その3分の1以上は、1年前にタイヤの状態について注意喚起を受けていた。

このことから、業界全体からMOT制度の改革を求める声が上がっている。英国タイヤ販売業者協会(NTDA)の代表を務めるステファン・ヘイ氏は、メディアの取材に対し、MOTでの注意喚起システムは「もはやその目的を果たせていない」と指摘した。

「当協会は、必要な措置が講じられるよう、タイヤ関連の助言に対する義務的なフォローアップの導入を提言しています。タイヤの安全性は、タイヤ業界だけでなく、規制当局とドライバーも真摯に取り組まなければなりません」とヘイ氏は言う。

交通安全に関する国会諮問委員会(PACTS)の事務局長であるジェイミー・ハサール氏は、「タイヤ交換時に、600万本のタイヤが法定最低基準を下回っているという報告があります。これは警察では対応しきれない水準であり、ドライバーが法を遵守できるよう、もっと人間中心のアプローチが必要です。そして、行動を起こさない者こそ、警察のターゲットとするべきです」と述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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