ホンダSシリーズの生き証人(後編) トヨタに勝て!の指令 そして語られるRSCとヨシムラの関係性

公開 : 2026.02.14 12:05

マグネシウムホイールはレース用

もうひとつ、RSCといえばマグネシウムホイールも有名だ。

「これは、埼玉にあった鋳造会社で作りました。ここの若社長はもともと自動車の技術者で、アルミの鋳造品でトラックの部品を作っていた。その方がS600に乗っていて、自分のクルマ用にホイールをマグネシウムで作っちゃったんです。それをホンダで使えないかなって持ってきたんですよ」

RSCといえばマグネシウムホイールも有名だ(写真はレプリカ)。
RSCといえばマグネシウムホイールも有名だ(写真はレプリカ)。    HTCC

しかしホンダは、マグホイールの量産は難しいと断ったらしい。

「でも『レースならば大丈夫か』と私のところに連絡がきて、4個もらうことになりました」

当時、量産のスチールホイールは、サーキットで走るとクラックが入ってしまったので、強化ホイールをメーカーに作ってもらったが、うまくいかなかったという。

「ちょうどこのマグが届いたので、500kmをサーキットで走ってクラックチェックしたら大丈夫だった。それで使うようになったんです」

ただしRSCは、街を走る人に部品は販売できない。

「ですから、欲しい人にはレース用として買っていただきました。レースでRSCのマグホイールをつけた方が当時何人かいましたね。意外と壊れなかったですよ」

そのほかにも様々な興味深い話が飛び出し、予定の90分はあっという間に過ぎていった。

ブラバムBT16A/ホンダのエンジンを始動

そしてこの日のもうひとつのイベントは、会場となったホンダ学園で学生たちを中心に修復された『ブラバムBT16A/ホンダ』のエンジン始動。そう、搭載されているのは、RSCでフルチューンされたS800のエンジンだ。

その音に酔いしれながら講演会は終演となった。

ホンダ学園で学生たちを中心に修復された『ブラバムBT16A/ホンダ』。
ホンダ学園で学生たちを中心に修復された『ブラバムBT16A/ホンダ』。    内田千鶴子

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    Shunichi Uchida

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    内田千鶴子

    Chizuko Uchida

    イタリアとクルマが大好きで、1968年式のFiat 850 spider Serie2を20年以上所有。本国のクラブツーリングにも何度か参加している。イタリア旅行時は、レンタカーを借りて一人で走り回る。たまたま夫が自動車ジャーナリストだったことをきっかけに取材を手伝うことになり、写真を撮ったり、運転をしたりすることになった。地図は常にノースアップで読み、長距離試乗の時はナビを設定していても、ナビシートで常に自分で地図を見ていないと落ち着かない。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

ホンダSシリーズの生き証人の前後関係

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