ボルボEX90 ツインモーター(2) 毎秒250兆回演算するエヌビディアが頭脳 期待へ一致する走り 航続は伸ばしたい

公開 : 2026.02.13 18:10

ボルボの電動化を牽引する7座SUV、EX90 従来の流れを汲む均整の取れたボディ 高級ホテルのラウンジのような車内 期待と一致する動的特性 もう少し伸ばしたい航続距離 UK編集部が試乗

大きなボルボへの期待と一致する動的特性

ボルボのフラッグシップ電動SUV、EX90の運転体験は、力強く快適で上質。ボディサイズや車重を考えると、操縦性も正確で優秀といっていい。この動的特性は、大きなボルボへ期待するものと一致する。

アクセルペダルを踏み込んでも、不意を突かれるように加速が始まるわけではない。ボルボらしく、滑らかに速度が高まっていく。それでも、408psと78.3kg-mを誇るツインモーターのEX90は、0-100km/h加速を5.9秒でこなしてみせた。

ボルボEX90 ツインモーター AWDウルトラ(英国仕様)
ボルボEX90 ツインモーター AWDウルトラ(英国仕様)

高速道路への合流へ近い、約50km/hから110km/hへの加速も4.7秒。フルサイズのSUVとして、これ以上の動力性能を有する例は多くない。余裕あるパワーとトルクが、運転のしやすさに結びついている。

高速走行時の車内は、22インチという大径ホイールでも静か。80km/hで計測したところ57dBAと、BMW iXを凌駕していた。

設定の幅が広い回生ブレーキ 乗り心地は2択

回生ブレーキの強さは、タッチモニターで調整可能。アクセルオフで完全な惰性走行になるコースト・モードから、ブレーキペダルを踏まずに止まれるワンペダル・モードまで、設定の幅は広い。オート・モードでは、交通状況に応じて自動的に調整される。

MT車へ乗り慣れた筆者の好みは、コースト・モード。アクセルオフでスルスルと走り、ブレーキペダルの反応が漸進的で、スムーズに運転できると感じられた。

ボルボEX90 ツインモーター AWDウルトラ(英国仕様)
ボルボEX90 ツインモーター AWDウルトラ(英国仕様)

ステアリングとエアサスペンションは、タッチモニターで調整できるが、ノーマル・モードはない。サスペンションがソフト・モード時は、郊外のうねった路面で上下動が大きい印象。ハード・モードは、やや硬めな乗り心地ながら、姿勢制御は引き締まる。

オフロード・モードがあり、最低地上高を高められるものの、40km/hを超えると自動的に解除される。それ以上の速度で未舗装路や雪道を走る場面も、あると思うのだが。

毎秒250兆回も演算するコンピューターが頭脳

運転支援システムは高機能。制限速度警告はブザーを鳴らすのではなく、アクセルペダルをそっと戻し速度の緩和を促してくれ、お節介すぎず好印象だった。交通の流れを乱すような場合は、アクセルペダルを踏み込めば解除される。

他方、ドライバー監視機能は、タッチモニターをチラ見するだけで警告される。タッチモニター上で、簡単にオフにできるが。

ボルボEX90 ツインモーター AWDウルトラ(英国仕様)
ボルボEX90 ツインモーター AWDウルトラ(英国仕様)

ちなみに、EX90の頭脳をなすのが、お弁当サイズのケースに収まるエヌビディア社製のコンピューター。毎秒250兆回も演算できるそうだ。

今回の試乗での電費は、平均4.6km/kWhと振るわず。現実的な航続距離は、450km程度と考えていいだろう。急速充電も、実際に試したところ最大で144kWと、主なライバルに届いていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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