第3世代『日産eパワー』は新型キックスやエルグランドが採用 今までとはどう違う? 燃費と静粛性、進化の歴史【画像200枚】

公開 : 2026.07.21 12:05

第2世代ではVCターボとの組み合わせも誕生

2020年にフルモデルチェンジした3代目となる現行ノートには、第2世代のeパワーが採用された。

第1世代との違いは、まず、モーターとインバーターを小型化して効率を高め、出力を大幅に向上させた。また、パワー半導体を直接冷却する構造を採用したインバーターや、特殊なローター表面形状として磁気回路を最適化したモーターが、エネルギーの損失を低減した。

2020年にフルモデルチェンジした現行ノートには、第2世代のeパワーが採用された。
2020年にフルモデルチェンジした現行ノートには、第2世代のeパワーが採用された。    日産自動車

さらに、第2世代では小型車用(ノート、キックス)と大型車用にシステムを分け、車両重量の重いミニバン(セレナ)にはeパワー専用の発電特化型エンジンを搭載。

より高い走行性能を求められるSUV(キャシュカイエクストレイル)には、日産独自の可変圧縮比(VC)ターボエンジンを組み合わせ、低回転でも高い発電能力を発揮させて、静かでゆとりある走りを提供した。

燃費と静粛性を大幅に向上させた第3世代のeパワー

第3世代のeパワーは、2025年に発売されたキャシュカイ(欧州仕様)で初搭載された。最大の特徴はモーター、インバーター、発電機、減速機、増速機という構成部品を一体化した、『5イン1』電動ユニットを採用したことだ。

具体的な例では、コイル線を隙間なく配置できる平角線コイルの採用で大電流を流すことが可能になり、高出力化を図った。また、最新世代パワーモジュールを搭載したインバーターを効率的に放熱できる両面冷却構造としてエネルギーの損失を防ぎ、特に高速域での効率を向上させている。

第3世代のeパワーは構成部品を一体化した、『5イン1』電動ユニットを採用したのが特徴。
第3世代のeパワーは構成部品を一体化した、『5イン1』電動ユニットを採用したのが特徴。    日産自動車

しかも一体化で剛性を高めて車体とユニットそれぞの共振点干渉を避け、静粛性を高めた。さらに高精度な組付けが可能となり、モーターや歯車などの回転軸の振れ公差を小さくして、振動の発生も抑えている。

新型キックスとエルグランドに採用

発電特化型エンジンは、小型システム用の『HR14DDe』と大型システム用の『ZR15DDTe』の2種類を用意。前者は先日発表された新型キックスに、後者は同じく発表された新型エルグランドに採用した。

発電特化型エンジンは回転数を一定に保つ定点運転ができ、ロングストローク形状でシリンダー内に強い流れ(タンブル流)を作ることで、高圧縮比、高EGR率でも安定した燃焼を可能にしている。

新型エルグランドに搭載される第3世代eパワー。今後も進化を続けるだろう。
新型エルグランドに搭載される第3世代eパワー。今後も進化を続けるだろう。    日産自動車

また、ZR15DDTeエンジンでは、日産独自の燃焼コンセプト『STARC』と大型ターボの採用で、燃費と出力をさらに向上させている。

燃費と静粛性を大幅に進化させた、第3世代のeパワー。もちろん、eパワーの進化はこれで終わったわけではない。さらなる効率とパフォーマンスのアップを求めて、次の世代はどのような進化を遂げるのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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