新型『日産キックス』で挑む大激戦コンパクトSUV市場 ライバルはホンダ・ヴェゼルとトヨタ・カローラクロス 「本当に欲しいSUV」とは?

公開 : 2026.06.22 12:05

日産は6月17日、新型『キックス』の発表会を六本木ヒルズで開催しました。ここでは当日のプレゼンテーションや開発者らへのインタビューから、リリースなどで紹介されていない話を篠原政明が深掘りします。

SUV市場の半数以上を占めるセグメントに成長

日産自動車(以下日産)は6月17日、新型『キックス』の発表会を六本木ヒルズで開催した。

ここでは発表会で登壇したCPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)の田中聡氏、プログラムデザインダイレクターの楠鉄平氏、CVE(チーフ・ビークル・エンジニア)の山本哲也氏によるプレゼンテーションや開発者へのインタビューから、リリースなどでは紹介されていない話を深掘りしてみたい。

日産は6月17日、新型『キックス』の発表会を六本木ヒルズで開催。
日産は6月17日、新型『キックス』の発表会を六本木ヒルズで開催。    平井大介

世界的なブームが続くSUVだが、特に日本では2025年に約52万台のコンパクトSUVが販売され、SUV市場の半数以上を占めるセグメントに成長した。そんなコンパクトSUV市場に投入される新型キックスだが、ターゲットカスタマー(ペルソナ)は40代後半の既婚男性で、17歳の子どもと3人家族を想定している。

そんなユーザーに向けて、大人の遊び心を刺激する、あらゆるシーンで活躍するロバスト(堅牢)&バーサタイル(多用途)SUVというのが、新型キックスのコンセプトだ。セリングポイントはこちらの3つとなる。

1:力強くダイナミック、俊敏で軽快なデザイン
2:進化した第3世代e-POWERなどの先進技術
3:快適性や利便性を向上させたユーティリティ

見た目も違う、乗ってみるとさらに違う

まずデザインは『本当に欲しいSUVとは何か?』と、コンパクトSUVらしい親しみやすさ以外は、ゼロから考えられた。目指したのは、SUVっぽいものとオシャレっぽいものを融合させ『見た目も違う、乗ってみるとさらに違う』もの。

エクステリアでは、アメリカンフットボールのヘルメットから着想を得たフロントマスクをはじめ、リアまわりの口の字型の黒いグラフィックや車幅いっぱいに配されたテールランプなど、SUVらしい存在感を強調した。

リアは口の字型の黒いグラフィックや車幅いっぱいに配されたテールランプなど、SUVらしい存在感を強調。
リアは口の字型の黒いグラフィックや車幅いっぱいに配されたテールランプなど、SUVらしい存在感を強調。    平井大介

インテリアでは、守られている安心感と心地良い開放感を目指し、乗る人みんなが気持ち良く感じられる空間としている。上級グレードの『G』と『X+』では合皮やプレミアムファブリックで力強さと洗練された質感を、エントリーグレードの『X』では織物やトリコットでスポーティで都会的な雰囲気を生み出している。

追浜工場で生産される最後のニューモデル

パワートレーンには、1.4Lの発電特化型エンジンと5-in-1(モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機という5つの主要構成部品を一体化)電動ユニットを組み合わせた第3世代のe-POWERを採用。エンジンで発電した電気でモーターを駆動する、いわゆるシリーズハイブリッドだ。

なお、日産のグローバルモデルであるキックスは既に2024年からメキシコとブラジルで生産されているが、こちらは2Lエンジンを搭載。e-POWER搭載車は、日本仕様が初となる。また、従来型キックスの日本仕様はタイ製だったが、新型キックスは日本の追浜工場で生産される最後のニューモデルとなる。

新型キックスは、追浜工場で生産される最後のニューモデルとなる。
新型キックスは、追浜工場で生産される最後のニューモデルとなる。    平井大介

第3世代のe-POWERでは、アクセルを踏んだなりに加速し、戻したなりに減速するリニア感を高めた。従来型より加速は素早く滑らかで、減速はワンペダル感覚で行える。

ただし完全停止はせず、特にエコモードでの減速をより使いやすくしているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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