ラージサイズミニバン界の先駆車!『日産エルグランド』はライバルに先行され「忸怩たる思い」 新型で巻き返すための強みとは

公開 : 2026.07.21 11:45

7月16日、日産はラージサイズミニバン『エルグランド』の新型モデルを発表。同日に横浜の日産グローバル本社ギャラリーでメディア向け発売記念イベントを開催しました。篠原政明が、開発者の声を紹介します。

新ブランドメッセージは『らしく走れNISSAN』

7月16日、日産自動車(以下、日産)はラージサイズミニバン『エルグランド』の新型を発表。同日に横浜の日産グローバル本社ギャラリーで開催されたメディア向け発売記念イベントから、開発者の声を紹介していこう。

まずは、執行職の杉本全氏が登壇。新型エルグランドを通じて新しいプレミアムミニバンの価値を紹介するとともに、新しいブランドメッセージ『らしく走れ NISSAN』を発表した。

7月16日、日産自動車はラージサイズミニバン『エルグランド』の新型を発表。
7月16日、日産自動車はラージサイズミニバン『エルグランド』の新型を発表。    平井大介

日産はこれまでも、創業者の精神である『他のやらぬことをやる』という考え方を基に挑戦を続けてきた。例えば、『GT-R』では究極の走る歓びを追求し、『リーフ』では電気自動車のモーター駆動による走りの楽しさを、そして日産独自のハイブリッド技術『e-POWER』ではモーター駆動の走りの楽しさを多くのユーザーに届けてきた。

しかし、目指してきたのは『技術のための技術の開発』ではなく、『技術を通してその先にあるユーザーの歓びや感動、豊かな体験を実現する』ことにある。

しかし社会は大きく変わってきており、他人と同じ答えや価値観ではなく、それも含めて自分らしくあるための価値観が広がっている。だからこそ、日産は日産らしく挑戦していく。

『らしく走れ NISSAN』には、そんな思いが込められているという。そのブランドメッセージを体現するモデルの第一弾が、新型エルグランドというわけだ。

開発者が実際に語るエピソード

続いて、商品企画の責任者であるチーフプロダクトスペシャリスト(CPS)の中村智志氏と、開発責任者の一野健人チーフビークルエンジニア(CVE)によるトークショーも行われた。

デザインやメカニズムなどについては既に取材済みであったが、開発者が実際に語ると、プレスリリースなどでは紹介されていない、ちょっとしたエピソードに感心させられてしまう。

新しいブランドメッセージ『らしく走れ NISSAN』が発表された。
新しいブランドメッセージ『らしく走れ NISSAN』が発表された。    平井大介

例えば、フロントグリルのドットパターン。繊細にデザイン配置されているのだが、ひとつとして同じ大きさや形のものはないのだという。

しかも、面の傾きや角の丸み、突出量などはミリ単位で調整し、最初は手作業で配置を決定して、それから3Dデータを用いて試行錯誤で長い時間をかけてデザインを決めたそう、まさに繊細さと緻密さの結晶と言える。

細部に見えるフラッグシップらしさ

サイドビューを美しく見せている、サイドウインドウのモールディングも同様だ。

まず、樹脂の黒いキャップがない一体成形ものとして高級感を演出。上側のモールはアルミ製でツヤをおさえて上品さを出し、下側は黒いツヤのある素材でガラスとの連続感を出している。ホイールもフィニッシャーを組み合わせて、アルミだけではできない緻密さと車両全体との統一感を持たせている。

イベントで登壇した、右から杉本全氏、一野健人氏、中村智志氏。
イベントで登壇した、右から杉本全氏、一野健人氏、中村智志氏。    平井大介

インテリアでは、シームレスなスイッチを配した木目調パネルはモダンな上質さを表現しているが、通常の加飾では凹ませて木目調を表現するところを、逆に凸にすることで実際の木材の触感に近づけている。

スタイリングを眺め、細部を注視し、そしてインテリアでは触れることで、フラッグシップらしさを感じさせる。新型エルグランドは、ディテールからも開発者のこだわりを垣間見ることができた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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