第3世代『日産eパワー』は新型キックスやエルグランドが採用 今までとはどう違う? 燃費と静粛性、進化の歴史【画像200枚】

公開 : 2026.07.21 12:05

先日発表された日産の新型『キックス』や『エルグランド』は、第3世代『eパワー』を採用しています。スタートは2016年の先代『ノート』でした。ここではそもそものeパワー解説と進化の歴史を、篠原政明がまとめます。

大きく3種類に分けられる駆動方式

現在、日本でも海外でもほとんどの自動車メーカー、いや自動車に限らずモビリティを生産しているメーカーは電動化に向けて様々な技術を導入している。

日産自動車(以下、日産)では、100%電気自動車のバッテリーEVと、『eパワー』(e-POWER)と呼ばれるハイブリッド車をラインナップしている。先日登場した新型エルグランドキックスに第3世代eパワーが採用されたということで、本稿では改めて、eパワーについて解説していきたい。

日産は2016年以来、『eパワー』と呼ばれるハイブリッド車をラインナップしている。
日産は2016年以来、『eパワー』と呼ばれるハイブリッド車をラインナップしている。    日産自動車

eパワーは日産が独自に付けた名称だが、これは日産が新たに開発した技術ではなく、『シリーズ式』と呼ばれるハイブリッド車の駆動方式のひとつだ。

ハイブリッド車の駆動方式は、大きく分けて1:パラレル式、2:シリーズ式、3:シリーズパラレル(もしくはスプリット)式の3つに分けられる。

日産eパワーはシリーズ式ハイブリッド

1のパラレル式はエンジンが主であり、発進時や加速時などにモーターがエンジンをアシストする方式。『マイルドハイブリッド』と呼ばれるものはこれにあたるが、モーターの出力は小さいものが多く、モーターだけで駆動する例は少ない。

日産のeパワーに代表される2のシリーズ式は、エンジンは発電のみで稼働。エンジンが発電した電気をバッテリーに貯め、その電力でモーターを駆動して走る。従ってエンジンで走行することはない。ダイハツ・ロッキーおよびトヨタライズの『eスマートハイブリッド』も同じシリーズ式だ。

eパワーに代表されるシリーズ式ハイブリッドは、エンジンは発電のみで稼働する。
eパワーに代表されるシリーズ式ハイブリッドは、エンジンは発電のみで稼働する。    日産自動車

3のシリーズパラレル式は、いわば両方のイイトコ取りで、エンジンとモーターを最適な領域で使い分ける。発進時はモーターのみで、加速時にはエンジンがアシストし、高速走行などはエンジンのみで走るなど、エンジンとモーターを効率よく使い分ける。トヨタの『THS』や、ホンダの『e:HEV』などがこれにあたる。

最初のeパワー搭載車は、2016年に発表された先代ノート

話を日産のeパワーに戻そう。最初のeパワー搭載車は、2016年に発表された先代(2代目)ノートeパワーだった。

2018年には、先代セレナにも採用される。これは、既に発売されていた電気自動車のリーフ用モーターを流用し、既存のエンジンと組み合わせて誕生した。システムは、大出力モーター、インバーター、発電機からなる電動ユニットと、ガソリンエンジン、高電圧バッテリーで構成されている。

最初のeパワー搭載車は、2016年に発表された先代(2代目)ノートeパワーだった。
最初のeパワー搭載車は、2016年に発表された先代(2代目)ノートeパワーだった。    日産自動車

発進から低中速域はバッテリーの電力でモーターを駆動して走り、高速走行ではエンジンで発電してモーターを駆動しながらバッテリーにも充電する。

100%モーター駆動なので、発進時から最大トルクを発生するモーターの特性を活かして、レスポンス良く力強く走る。

バッテリーの充電が十分なら、市街地走行レベルではエンジンが駆動しないので静粛性が高く、高速走行ではロードノイズが高まるからエンジンが駆動しても気になりにくい。そして最も効率の良いエンジン回転数で発電するから、低燃費も実現する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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