室内はライバルよりiPhoneの3目盛り分静か 新型『日産エルグランド』の知っておきたい10のポイント(後編) 驚異的コーナリングマシン誕生

公開 : 2026.09.10 12:10

7月16日に発表、発売された日産のフラッグシップミニバン、新型『エルグランド』は8月末に早くも累計受注台数が9000台を突破し、出足好調です。その実車を通じてあらためわかった10のポイントを篠原政明が解説します。

6:インテリジェントダイナミックサスペンション

真のプレミアムミニバンを目指してフルモデルチェンジされた、『日産エルグランド』。果たして日産ブランド復権の象徴となれるのか? 実車に接して、あらためてわかったポイントを簡単に紹介していこう。

新型エルグランドは、乗員全員が快適に過ごせる『極上の乗り心地』と、どんな路面でも『意のままに操れる運転する楽しさ』を両立させるために、前編で紹介した『第3世代 eパワー』と『eフォース』に加え、『インテリジェントダイナミックサスペンション』も採用している。

真のプレミアムミニバンを目指してフルモデルチェンジされた、新型日産エルグランドを取材。
真のプレミアムミニバンを目指してフルモデルチェンジされた、新型日産エルグランドを取材。    平井大介

これは、いわゆる電子制御ショックアブソーバーにより、小さな段差は減衰力を低めて滑らかに乗り越え、大きなうねりは減衰力を高めて車両の揺れを抑えるというもの。

減衰力は瞬時にコントロールされ、どんな路面でもシーンごとに最適な減衰力で走行し、ゆったりと重厚感のある乗り心地を実現している。今回の試乗では不整路面を走る機会はなかったが、郊外路でも高速道路でも振動や上下動は抑えられており、乗り心地はきわめて快適だった。

7:圧倒的な静粛性に感激

エンジン音とロードノイズを複数のセンサーで高精度に検知し、逆位相の音を発して打ち消す新世代の『アクティブノイズコントロール』を採用。

さらに、高性能遮音ガラスや吸音材、遮音材を配して車室外からのあらゆる音を徹底して遮る『高遮音ボディ』、第3世代 eパワーの低振動化などにより、全開加速時の騒音はライバル車より5dB低い。これは、iPhoneのボリュームで3目盛りに相当するという。

逆位相の音を発して打ち消すアクティブノイズコントロールを採用。
逆位相の音を発して打ち消すアクティブノイズコントロールを採用。    山本佳吾

実際、今回は真夏の試乗だったのでスタート時はエアコンが全開で作動して吹き出し音が気になったほど。そこで試しにエアコンを切ったところ、車内はシーンと静寂に包まれた。

走行中はタイヤなどのロードノイズも抑えられ、エンジンがかかると若干の振動は感じるものの、運転していなければ分からないほど。まさにプレミアムミニバンらしい静粛性だ。

8:ミニバンなのにコーナリングマシン?

従来のeフォースでもモーターとブレーキを統合制御していたが、これに加えリアモーターのトルクを積極的に活用する。

コーナリング時は、ステアリング操作に応じて後輪の駆動力配分を上げて前輪のコーナリングフォースを高める。コーナリング中にアクセルを踏み込めば、後輪の配分をさらに上げてクルマを進みたい方向に向ける。さらに踏み込めば内輪ブレーキをかけてモーター出力を上げ、ヨーモーメントを出すことで狙ったラインをトレースできる。

従来のeフォースでもモーターとブレーキを統合制御していたが、これに加えリアモーターのトルクを積極的に活用する。
従来のeフォースでもモーターとブレーキを統合制御していたが、これに加えリアモーターのトルクを積極的に活用する。    原アキラ

しかも、コーナリング中はインテリジェントダイナミックサスペンションが外側の減衰力を高めて横方向の動きを抑えているから、ロールも少ない。

クルマの向きと姿勢を自在にコントロールした高い旋回性能は実際にワインディングロードで少しだけ試してみたが、まさにその感覚はコーナリングマシン。これを、背の高い大きなミニバンで達成したことは驚異的だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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