僅か限定10台の特別仕様 アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ「ルナロッサ」 圧倒的なアナログ感 金字塔といえるスーパーサルーン

公開 : 2026.09.09 18:05

限定生産部門「ボッテガ」が手掛けた、アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオの特別仕様「ルナロッサ」。好戦的なエアロキットで、本来の秀抜な走りを引き立てます。UK編集部が試乗です。

限定生産部門「ボッテガ」による「ルナロッサ」

イタリアの歴史深いブランド、アルファ・ロメオ。同社が新たに立ち上げた限定生産部門「ボッテガ・フオリセリエ」には、特別感の強い仕様でマニアへ訴えるという重要な役目がある。先日試乗したアルファ・ロメオ 33ストラダーレのような、独自性の高い高額モデルとは別に、既存モデルをベースにした少量生産の限定仕様も展開される。

これにはマセラティも含まれるが、シリーズ第1弾として投入されたのが、アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオの「ルナロッサ」。同社は、アメリカズカップを戦うイタリアのヨットチームの、技術パートナーという立場にあるのだ。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)

ヨットレースにちなんだ、特別仕様は珍しいものではない。ボルボは、以前からオーシャンレース・リミテッドを提供してきた。2017年にはBMWも、フィンランドのヨットチームにちなんだ7シリーズを発売している。

目を引くアグレッシブなエアロキット

ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサは、専用エンブレムやボディトリムで仕上げられるだけではない。何より目を引くのが、アグレッシブなエアロキット。アルファ・ロメオによれば、歴代で最も空力性能の良いクアドリフォリオだという。

フロントバンパーのカナードにアンダーボディ・パネル、サイドスカートのフィン、パガーニ・ゾンダを彷彿とさせる両サイドのリアウイングで、空気抵抗を低減。ダウンフォースは増強され、300km/h時で140kgになるという。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)

塗装はマットシルバーで、マットブラックの切り返しが逆三角形のグリルから続く。これは、ヨットの甲板をイメージしたものだとか。ちなみに、生産数は10台のみ。試乗車はプロトタイプの0番だったが、既に完売しているそうだ。

ヨットチームへちなんだ別仕立てのインテリア

インテリアでは、サイドサポートの高いスパルコ社製カーボン・バケットシートが、ライフジャケットから着想を得たクロスで包まれる。シリアル番号が記された、ダッシュボードの化粧パネルには、ヨットの帆と同じ素材が用いられる。

プロトタイプのためか、部分的に製造品質は優れない様子。レッドのアルファ・ロメオ・エンブレムは若干色褪せて見え、シートの調整ボタンが緩んでいたり、クロスが浮いている部分もあった。納車される車両では、違うはずだが。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)

全体的なデザインは見慣れたジュリアのものでも、明るめの色のクロスが新鮮で、雰囲気は好ましい。僅かに時間の経過を感じさせるとはいえ、物理スイッチがふんだんに用いられた操作系にも好感が持てる。

運転姿勢は、いかにもイタリア車。身長の高い人には、余り快適とはいえないかも。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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