■インテリア

“インフォテインメント・システムには電子版の説明書があるのに、どうしてローンチ・コントロールの方法はどこにも書かれていないのだろう?” ― ニック・カケット(ロードテスター)

AMGオリジナルの190E 3.2がデビューし、コンパクト・スポーツ・サルーンの時代を決定づけてから、かなりの年月が流れた。

そして当然ながら、190E 3.2を上回るモデルが続々と登場した。ラグジュアリーかつ技術的に圧倒的な進歩を遂げたモデルは、探せばたくさん見つかる時代になったのだ。C63もその好例である。

C63にとってのキー・アドバンテージは、ベースがC-クラスであることだと思う。より大型のモデルで実現したイノベーションを受け継ぎ、先代とは比べ物にならないほど豪奢になったモデルをベースにする点は明確な強みではないだろうか。

システムとしては、クロスメンバーとサイドメンバー間の空洞を音響室とするSLが使用する ‘フロントバス’ オーディオ・システムや、Sクラスが使用する最新の衝突回避アシスト・プラス、ドライバーの注意力低下をモニタリングして警告してくれるアテンション・アシストを譲り受けている。

われわれのテスト車両にはAMGプレミアム・パックが組み合わされており、ダッシュボード上やドア内張り、アームレスト上のARTICO ‘マン・メード・レザー’ や、大型で座り心地の良いヒーター付きシート、ステアリングなどが、標準グレードとの識別点となる。

ただし、センター・コンソール上の不自然につややかな黒色のプラスティック・パーツは指紋を目立たせやすいし、ステアリング・ホイール上の銀色のプラスティック・パーツもなんだか安っぽく感じる。

反面、ダッシュボードやドア・コンソールなど、広範囲にわたって使用されるアルミニウム製トリムは見栄えが良く、手触りもサラリと心地いい。ボタンやノブの質感も、C63という高級スポーツ・サルーンの立ち位置に見合ったものとなっている。

スペースは前後ともに決して狭くはないが、トランクは驚くほど浅い。ただ容量は確保されているため、大型の荷物もすっかりと飲み込んでくれる。

メーターはごく一般的なアナログ式ゆえプレーンな印象。ラップ・タイマーやブースト・ゲージ、エンジン／トランスミッションの油温を表示してくれ、AMGモードにすると、アグレッシブな配色になる。