1156psで100km/hへ2.5秒 ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック(1) 基礎骨格はQ6 e-トロンと共有 実質的には4シーター

公開 : 2026.11.05 18:05

EVとなったポルシェ・カイエンを、UK編集部が試乗します。基礎骨格をアウディQ6 e-トロンと共有し、ターボなら1156psを誇ります。カーブへ飛び込めば素晴らしい操縦性ですが、持久力は物足りないようです。

1156psと152.6kg-mで0-100km/h加速2.5秒

4代目にして完全に電動となった、ポルシェ・カイエン・エレクトリックが英国へ上陸した。2002年登場の初代は、ブランドファンから否定的に受け止められたものの、実際には好調に売れた。以降、世代交代を続け、これまでに150万台が届けられている。

カイエンは、ポルシェにとって過去最高のベストセラーで、稼ぎ頭の1台。高性能なSUVを、当たり前の存在にもしてきた。だが、新世代も議論の的にはなりそうだ。

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック(英国仕様)
ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック(英国仕様)

カイエン・ターボ・エレクトリックは、実に1156psと152.6kg-mを叶えている。ローンチコントロールを起動すれば、2.6tある電動SUVは停止から2.5秒で100km/hに加速する。ベースグレードでも442psあるが、感覚が麻痺して強力には思いにくい。

ポルシェが1000馬力以上を与えた理由は、2つあるように思う。1つは、高い技術力を顕示し、それが達成可能だと証明するため。もう1つは圧倒的なパワーで誘惑し、財布の紐を緩めてもらうため。電動のポルシェへ懐疑的な人は、欧州でもまだ少なくない。

Cd値はワゴンボディで0.25、クーペは0.23

ボディスタイルはワゴンボディの他に、ルーフが傾斜したクーペも用意。これは3代目から追加されたが、販売の3割以上を占める支持を集めている。

クーペではパノラミック・ガラスルーフが標準装備。オプションで、カーボン製パネルに置換もできる。フロントガラスの傾斜が強く、全高は24mm低く、見た目の印象はだいぶ異なり、定員は4名か5名を指定できる。

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック(英国仕様)
ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック(英国仕様)

全長は4985mmと歴代最長へ伸びつつ、空気抵抗を示すCd値は通常のカイエンで0.25とかなり小さい。高速走行時にリアウイングが展開しドラッグを減らす、アクティブエアロが大きく貢献している。クーペは0.23と更に小さく、航続距離を僅かに伸ばす。

プラットフォームはアウディQ6 e-トロンと共有

電圧800Vのパワートレインは、両ボディ、各グレードともに、2基の駆動用モーターと108kWhのNMCバッテリーという構成。最高出力はベースグレードで442ps、Sが666ps、ターボで1156psという3段階になる。

Sはターボより100kg近く軽く、高度なシャシー技術を選べ、例えるならライト・ターボ。トルクベクタリング・リアデフにポルシェ・アクティブライド・サスペンション、後輪操舵システムなどをオプションで組める。

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック(英国仕様)
ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック(英国仕様)

プラットフォームは、アウディQ6 e-トロンと共有。ACでの急速充電は400kWに対応し、残量10%から80%まで最短16分で回復できる。航続距離が最も長いのはクーペで、Sでは666kmが主張される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    2006年より自動車ジャーナリストとして活躍している。AUTOCARを含む複数の自動車専門誌で編集者を歴任した後、フリーランスとして活動を開始し、多くの媒体で執筆を続けている。得意分野はEV、ハイブリッド、お菓子。2020年からは欧州カー・オブ・ザ・イヤーの審査員も務める。1992年式のメルセデス・ベンツ300SL 24Vの誇り高きオーナーでもある。これまで運転した中で最高のクルマは、2008年のフォード・フィエスタSTとアルピーヌA110。どちらも別格だ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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