BMW X1

公開 : 2015.12.21 23:50  更新 : 2017.05.23 10:24

Mスポーツでさえ、ハイレベルなインフォテインメント・システムはつかず、有償の扱い。どのグレードであろうと、英国では、大型のコントロール・ディスプレイ、オンライン・サービス、リモート・コントロール・システム、ヘッドアップ・ディスプレイを含む ‘ナビゲーション・プラス’ パッケージは£1,490(27万円)のオプションとなる。

筆者は ‘ナビゲーション・プラス’ パッケージは有益なオプションだと考えている。インフォテインメントは、どの領域でも扱いやすく、ワイドなスクリーンにも合っている。マップも詳細まで見やすいからだ。内製のRTTIと呼ばれるリアル・タイムの交通情報も、道を逸れてからの新ルートへの復帰は素早く、どのライバルのシステムよりも混雑を避けるのがうまいと感じる。

さらにテスト車には、ハーマン・カードンのプレミアムHi-Fiシステムがついていたが、音質、パワー感ともに極めてハイレベルだと感じた。

■パフォーマンス

“X1のギアレバーはミニと同じものをシェア。ほかのXカーが使用する、ワンタッチで切り替えられるギアノブが恋しい” ― ニック・カケット (ロードテスター)

ディーゼルを載せたクロスオーバーとして、お金に見合うパフォーマンスをすることはたしか。値段に対する実力に不満は少ないはずだ。

その一方で、ライバルに比べると、やや納得いかない部分もある。

過去のアーカイブと照らしあわせると、アウディQ3の100km/hまでの静止加速は0.1秒のディスアドバンテージ。48km/h→113km/hの4速時の加速を含め、それ以外はかなり似た結果だといえる。だが、去年乗ったGLA220 CDI 4マティックは、0-97km/hまでは同じであるのだが、161km/hに至るまではGLA220dの方がわずかに速い。それに公表値(0-100km/h=7.6秒)がどうしても出せない。

加速はたしかに速く感じるし、エンジンの回転も軽やかだ。8速のギアボックスは適切なギアを選ぶうえ、変速もスマート。低回転域に上滑りする感じもなければ、ディーゼルゆえ車体のマスも物ともしない。

高回転域ではこれでもかというほどよく回る。ライバルがくたびれはじめる5000rpm以上でも、不満はなし。このエンジン単体だけでも、同サイズのライバルでは成し得ないセリング・ポイントだといえよう。

一方、タイヤが生じるノイズと、BMW製4気筒特有の音は室内に侵入しやすい点は見過ごせない。110km/hを超えたあたりからは、去年テストしたキャシュカイよりも盛大な音が生じはじめる。制動力はまずまずであるが、際立って感動するほどではない。ブレーキ・ペダルの踏み心地はよく配慮されており、踏んだ量と実際の効きに変な差がないぶん、直感的に制動できる。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

BMW X1の人気画像