エンジン版より運転体験は上 BMW iX1 xドライブ30へ試乗 自信得にくい操舵感 更に欲しい強み
公開 : 2025.04.10 19:05
電動版のX1 バランスの良いフォルム 現代的で開放的な車内 扱いにくいタッチモニター エンジン版の上を行く運転体験 自信を得にくい操舵感 航続距離や充電速度がネック 英編集部が評価
もくじ
ー電動版のX1 バランスの良いフォルム
ー現代的で開放的な車内 扱いにくいタッチモニター
ーX1の上を行く運転体験 自信を得にくい操舵感
ー航続距離や充電速度がネック 更に強みが欲しい
ーBMW iX1 xドライブ30 Mスポーツ(英国仕様)のスペック
電動版のX1 バランスの良いフォルム
AUTOCARの読者ならご存知かと思うが、BMWのバッテリーEVはエンジンモデルと密接な関係を持っている。今回試乗したiX1も、電動版のX1と表現して間違いではない。乗りやすいサイズとプライスで、市場拡大を担う重要な役割を負っている。
3代目が発売された2022年、BMWはX1の販売数の31%が電気モーター版になると推計していた。しかし、そこまでの割合いは得られていない。

他方、エンジン版のX1では、個性の薄いエンジンと癖のあるトランスミッション、扱いにくいインフォテインメント、面白みに欠ける操縦性など、指摘したい部分は少なくなかった。BMWらしさが薄かった。
パワートレインを電動へ置換すれば、その一部は改善される可能性がある。かくして、iX1の実力を探ってみよう。
スタイリングは、基本的にX1と同一。シャープなライン構成とスクエアなフォルムで、バランスは良い。フロントグリルは塞がれ、空気抵抗を抑えるべくドアハンドルは表面と一体化。スリムなLEDテールライトが、後ろ姿を引き締める。
アルミホイールは20インチ。ホイールアーチのモールは、ボディと同色に塗装される。
プラットフォームは、エンジン版と同じUKL2。2シリーズ・グランクーペや、新しいミニ・カントリーマンも基礎骨格とするものだ。
駆動用バッテリーの容量は64.7kWh。航続距離は、203psのシングルモーターで前輪駆動のeドライブ20が461km、312psのツインモーターで四輪駆動のxドライブ30では、432kmがうたわれる。
現代的で開放的な車内 扱いにくいタッチモニター
インテリアは、現代的で開放的。同クラスの中では、特にゆとりを感じる。小物入れが各所にあり、浮いて見えるセンターコンソールが印象的だ。
試乗車の場合、本物のアルミニウム製トリムが散りばめられ、ダッシュボードやアームレストの素材は上質。内装の設えは、ライバルのボルボEX40より高い。スピーカーグリルだけを見ても、高級感がある。

試乗車はMスポーツで、パノラミック・ガラスルーフが備わり、沢山の自然光が降り注ぐ。スポーツシートは、クッションは硬めだが、サポート性に優れ疲れにくいだろう。
後席側の空間は、大人3名が快適に過ごせる広さ。エンジン版と異なりスライドできないが、40:20:40の分割で折り畳める。荷室容量は490Lで、クラス上のiX3と同等だ。
前席側は、例に漏れず、モニターパネルの存在感が大きい。インフォテインメント用は10.7インチ、メーター用は10.25インチで、iドライブ・システムは最新のバージョン9が稼働する。スマートフォンとの連携は無線で。運転姿勢は文句なしだろう。
グラフィックは高精細だが、実際に押せるハードスイッチはほぼなく、扱いやすいわけではない。メーターのグラフィックは、表示が若干煩雑。ステアリングホイール上に残された、音源や音量用のスイッチがうれしい。
エアコンの操作も、タッチモニターを介して。例えば、シートヒーターをオンにし、一番暖かい状態にするまで、約10回もタップする必要がある。高速道路の合流時などで、外部カメラの映像が自動的に映されるのは、筆者は少し目障りに感じた。
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