ボナムス・デッセンバー・セール

●2015.12.10 ロンドン/イギリス ボナムス・オークションの１年を締め括るデッセンバー・セールがロンドンで行われた。イギリスらしくヴィンテージ・モデルから近年のモデルまでの88台と2輪車や数多くのオートモビリアが並んだ。  
高額な車両が並ぶオークションに注目が集まるが、もともとはマニアックなモデルを用意するオークションが一般的だった。その伝統を受け継ぐのがボナムス・デッセンバー・セールだ。数十億円のきらびやかなクルマこそ無いが、趣味人にとって見逃がせない逸品が並ぶ。 今回は地元メイクスであるベントレー、ロールス・ロイス、ジャガーの新旧モデルが重点的に集められ、合計33台が用意された。 ここで最高落札額を記録したのは1926年型ベントレー 3ℓ ライト・ツアーの5208万円で、1939年型ベントレー 4 1/4ℓ ドロップヘッド・クーペ（4690万円）、1958年型ベントレー Sシリーズ・コンチネンタル・フライングスパー（3447万円）、1982年型フェラーリ512BBi（3447万円）、1938年型ラゴンダ V12 ドロップヘッド・クーペ（2825万円）と続いた。イギリスでのオークションらしく、ヴィンテージ・モデルが上位を独占したのが興味深い。 フェラーリは512BBiが3位に食い込んだが、以前程の勢いは見られなかった。同様に最近人気を集めている308GTBヴェトロレジーナ（FRPボディ）も数少ないRHD仕様ながら、アヴェレージ・コンディションだったためか安めで終わっている。ちなみにこの2台は日本にあった個体。 エンスージァスト向けのオークションだけに、地味なモデルや要レストア車もベントレーからレーシング・マシンまでが用意された。中でも人気を集めたのがHRG ル・マン・スポーツで、貴重な個体だけにほとんど素材といえる状態ながら1271万円まで値を上げた。 このほかの車両はほとんどが想定内の価格で終了しているが、一部のマニアの間で人気を集めているフォルクスワーゲン・タイプ 2 デラックス・マイクロバス21ウインドーは、素晴らしいコンディションに保たれたRHDのイギリス仕様だけに1582万円を記録した。 ここではデッセンバー・セールで落札された主な車両をご紹介しよう。