アバルト124を救ってくれるのはシャシー・チューニングだ。ターンイン初期でさえ、標準モデル以上の安定感が確保されている。

MX-5の場合は、賢くボディをリーンさせることで、挙動をおとなしくするといったアプローチをするが、アバルト124はビルシュタイン製ダンパーに、ある程度のところまで粘らせる手法をとっている。

それゆえ大部分において、ライドも落ち着いている。攻めればシャシーはシリアスな反応をみせ、コーナーでも鈍さを感じさせない。アバルト124のいいところだ。

マニュアルのモデルに乗ると「やっぱこっちだよな」と思える。(どこから略奪したかはご存知のとおりかと思うが)6速のショート・スローは、中回転域のマルチエアのバイタリティをうまく引きだし、操作感が ‘たのしいクルマに乗っている’ と思わせてくれる。