オーナーは元スパイ? 3000psの魔改造スポーツカー『ジェンセン・インターセプター』 希少なワンオフ車をチューンアップ

公開 : 2026.09.29 17:05

英国在住のダンカン・デイヴィスさんは、親友からジェンセン・インターセプターの管理を任され、この「狂気的」なクルマを運転しています。NOSを搭載し、内装を削ぎ落とし、最高出力は3000psに達するそうです。

親友から管理を任されたのは……

英国在住のダンカン・デイヴィスさんは、今でも自身の幸運が信じられないそうだ。この超希少なジェンセン『インターセプター』のオーナーではないが、運転しているのは彼なのだ。

「オーナーはわたしの親友なんです。でも、彼は海外に住んでいるので、わたしがこのクルマの世話をして、今日のグッドウッド・ブレックファスト・クラブのミーティングのようなイベントに参加しているんです」とダンカンさんは語る。

ダンカン・デイヴィスさんと彼の友人が所有するジェンセン・インターセプター
ダンカン・デイヴィスさんと彼の友人が所有するジェンセン・インターセプター    AUTOCAR

ダンカンさんの笑顔はジェンセンのグリルと同じくらい大きいが、その理由はすぐに明らかになった。

「このクルマはワンオフなんです。ジェンセンが製造した1台限りの軽量インターセプターですよ」

「マニュアル仕様で、パワーステアリングもありません。1964年に新車で購入した最初のオーナーは、サーキットで走らせるための軽量なクルマが欲しかったと言っていたそうです」

「ジェンセンは『レースカーは作っていない』と答えたものの、防音材をはじめとする快適装備の大部分を取り外し、グラスファイバー製のボンネットを取り付けるなどのカスタマイズに応じました。また、サスペンションを強化し、標準のクライスラー製6.3L V8エンジンを、よりパワフルなクライスラー440(7.2L)マグナムエンジンに交換したんです」

「ちなみに、テールゲートに付いているGTRのバッジは後付けのもので、ジェンセンの発案ではありません」

現オーナーはMI5の出身かも?

このインターセプターの現オーナーは1981年に同車を購入したという。ダンカンさんはオーナーの名前を伏せたものの、いくつかの興味深い事実を明かしてくれた。

「彼(オーナー)は非常に聡明な人物で、かつて秘密情報機関……いや、政府機関だったかな? そこで働いていたんです」

ダンカン・デイヴィスさんの友人が所有するジェンセン・インターセプター
ダンカン・デイヴィスさんの友人が所有するジェンセン・インターセプター    AUTOCAR

「いずれにせよ、1981年から1995年の間、このインターセプターはMI5によって使用され、ロンドン市内を走り回っていたとわたしは信じていますよ。驚くべきことに、エンジン番号の下3桁は007なんです!」

この謎めいたオーナーは、エンジン出力に満足できなかったらしく、パワーアップに踏み切った。

「彼は頭の中でエンジンの設計を練り上げ、2012年にエンジニアに自分の要望を伝えました。そのエンジニアには『無理だ』と言われましたが、友人は『とにかくやってみてくれ』と頼みました。彼は報酬を支払い、エンジニアは作業を行い、見事に成功しました」

具体的にどのような改造が行われたのか。まず、エンジンにはNASCARレース用の内部部品が組み込まれ、ボアとストロークを拡大して8.1Lに排気量アップ。高度な点火システム、排気系のチューニング、ラムエアシステムにより、出力は750psに達した。次に、出力を825psまで引き上げる水メタノール噴射システムが追加され、最後に、亜酸化窒素システム(NOS)が搭載された。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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