日産ノート e-POWER メダリスト

公開 : 2016.11.11 05:50  更新 : 2017.05.29 19:26

静粛性もノートe-POWERの大きなセールス・ポイントだ。エンジンが始動していても、その回転数は2000rpmから2500rpm程度。日産が言うにはロード・ノイズに紛れる程度の音といっているが、確かに走行中はまったくエンジン音を感じることはなかった。強いて言えば、クルマを止めて外に立っている時に、エンジンがかかるとわかるという程度のもの。

ノートe-POWERとリーフとの決定的な違いは、リーフのように専用ボディを用意しなかったことにある。つまり従来のノートのボディにパワートレインが全て納められたことが大きい。そのため、コストが安く抑えられた上に、従来のノートの高い実用性がそのまま受け継がれていることにある。

まず、コスト面。これは、中間グレードのe-POWER Xでは1,959,120円、今回試乗したトップ・グレードのメダリストでも2,244,220円という今までのEVでは考えられない価格となっている。因みに、リーフは国の補助金が支給された差額で3,613,080円、BMW i3のレンジ・エクステンダーが5,095,000円だからその差ははっきりとしている。また、ノートのガソリン・モデル対比でも20数万円の価格上昇となっている。いままでとほぼ同じガソリン・エンジンを搭載した上に、モーター、ジェネレーター、バッテリーを追加していることを考えると、間違いなくバーゲン・セールである。開発者が、戦略的価格であり儲けは少ないと嘆いていたからこそ、われわれユーザーにとっては “買い” の1台なのだ。

また、従来のノートのボディを使用したことについて言えば、EV化に伴って犠牲となったところが一つもないということだ。リチウム・イオン・バッテリーはフロント・シート下に収まっているため居住スペースに一切影響が出ていないし、今回唯一エンジン・ルームから移動を余儀なくされた12Vバッテリーも、当初スペア・タイヤが収まっていた場所に移動されている(現行ノートはガソリン・エンジン・モデルでもスペアタイヤは装備されず、工具スペースとして使われている)ために、トランク・スペースはガソリン・モデルとまったく同じなのだ。

サスペンションまわりは100kg強重くなったボディに合わせて修正されているが、走りに従来のノートとの違いを見出すことはできなかった。


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