フォルクスワーゲンID.ポロ「GTI」プロトタイプ世界初試乗(1) 特別な3文字のイメージへ合致するモデル誕生へ

公開 : 2026.05.11 18:05

EVになる7代目ポロへ設定される「GTI」。フォルクスワーゲンらしいパッケージに先進的な技術を惜しみなく投入し、前輪駆動で航続420km以上がうたわれます。UK編集部が世界で初めて試乗した、プロトタイプの印象とは?

バッテリーEVにシフトする7代目ポロ

フォルクスワーゲンで、高性能モデルを象徴する3文字が「GTI」。しかし、AUTOCARの読者ならご存知の通り、近年の同社はEVには「GTX」を与えてきた。ID.3ID.4、ID.バズなどへ。果たして、GTIへ匹敵する成功は得ていないといえる。

だが遂に、1976年の初代ゴルフ GTIから育てられてきた、特別な3文字のイメージへ合致するモデルが仕上がろうとしている。グレートブリテン島南西部、ブレコン・ビーコンズの駐車場に、実物が停まっている。

フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)
フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)

7代目ポロは、バッテリーEVへシフトする。ID.の前置詞を得ているのは、その証拠だ。

ポロという車名を与えたことは、EVを既存モデルと並行して売るような存在ではなく、ラインナップの中核に据えるという、一歩踏み込んだ方針の表れといえる。さらに、その姿勢を力強く体現するのが、今回設定されるGTIだろう。

「他国にはないほど挑戦的な」英国の公道

モデルにおけるトップグレードなだけでなく、実用性はそのまま、魅力的で運転が楽しいフォルクスワーゲンこそ、ゴルフやポロのGTI。普段使いに適したチューニングの、素晴らしいドライバーズカーであり続けてきた。

新しいID.ポロ GTIの納車は、2026年末からドイツで始まる予定。英国にはほぼ1年後、2027年の春から届けられるそうだ。

フォルクスワーゲンの技術者、フロリアン・ウンバッハ氏(左)と、ID.ポロ GTI プロトタイプ
フォルクスワーゲンの技術者、フロリアン・ウンバッハ氏(左)と、ID.ポロ GTI プロトタイプ

それに向けて開発責任者の1人、フロリアン・ウンバッハ氏が率いる同社のチームは、ソフトウエアの最終調整中。「英国市場は、このクルマの成功へ極めて重要です。ここの道路は特有で、他国にはないほど挑戦的なものだと理解しています」と彼が話す。

ブレコン・ビーコンズを彼らが訪れたのは、動的な特性を磨き込むため。「英国はホットハッチの本場。プロトタイプを持ち込み、性能を確かめたいと考えていたんです。今日は、その目的を果たす日です」。そして、筆者の試乗も叶う特別な日だ。

フォルクスワーゲンらしい普通の見た目

プロトタイプだから、ID.ポロのボディはラッピングで偽装されている。それでも、ID.3より遥かに見慣れた、ハッチバックらしいシルエットを持つことは間違いない。

ウンバッハが微笑みながら説明する。「ID.ポロは、フォルクスワーゲンらしい、普通の見た目である必要がありました。技術的にも従来的なレイアウトにあります。とはいえ、先進的なコンパクトカーであることも事実です」

フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)
フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)

プラットフォームは、最近までMEB21と呼ばれていた、MEB+。駆動用モーターがフロントに載る前輪駆動で、サスペンションは前がストラット式、後ろがトーションビーム式。なんと馴染みある構成だろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フォルクスワーゲンID.ポロ「GTI」プロトタイプ世界初試乗の前後関係

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