前輪駆動らしい走りへのめり込む! フォルクスワーゲンID.ポロ「GTI」プロトタイプ世界初試乗(2) エンブレムを押せば意欲的な走り

公開 : 2026.05.11 18:10

EVになる7代目ポロへ設定される「GTI」。フォルクスワーゲンらしいパッケージに先進的な技術を惜しみなく投入し、前輪駆動で航続420km以上がうたわれます。UK編集部が世界で初めて試乗した、プロトタイプの印象とは?

同クラスでは広めな後席がアドバンテージ

フォルクスワーゲンID.ポロ GTIのドアを開くと、プロトタイプらしく布製カバーでダッシュボードは隠されていた。車内空間は、大人4名が快適に座れる広さがある。

フロントシートは、やや小ぶり。身長が高い筆者の場合、座面はもう少し長くて良い。それでも、お尻を包み込んでくれ、座り心地に優れる。長時間でも疲れにくそうだ。

フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)
フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)

後席側は、ポロ・クラスのコンパクトハッチバックでは、僅かに広め。ミニ・クーパー SEやルノー5 E-テックに対する、アドバンテージになるはず。フォルクスワーゲンが、実用性の高い普段の足として設計した結果が、カタチになっている。

ステアリングホイールは2スポークで、リムの上下がフラット。親指付近には、タッチセンサーではなく、物理スイッチが複数並んでいる。GTIのエンブレム部分は、その名を冠したドライブモード・ボタン。これを押すと、意欲的な走りへ興じれるらしい。

初代ゴルフ GTI風のアナログメーター・グラフィック

ドアの内張りやダッシュボードを覆うのは、ディナミカと呼ばれる、滑らかなマイクロファイバー。車内は、従来にないほどラグジュアリー&スポーティな雰囲気にある。

ダッシュボードにはタッチモニターも備わるが、送風口の下には物理スイッチもチラっと見える。モニター式のメーターパネルは、スイッチを操作すると、初代フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI風のアナログメーターへグラフィックが変わる。

フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)
フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)

タッチモニターの表示も、レトロフューチャー。オーディオのメニューは、カセットテープを模したグラフィックで描かれ、駆動用バッテリーの残量は燃料計を真似たメーターで教えてくれる。多くの人へ響くデザインではないだろうか。

狙い通りにボディを引っ張るフロントアクスル

フォルクスワーゲンの技術者、フロリアン・ウンバッハ氏が助手席へ。砂利敷の駐車場を抜けて、アスファルトへ出る。乗り心地は適度に締まり、落ち着きがあり快適。タッチモニターで調整できるアダプティブダンパーのおかげで、幅広い特性を得ている。

最もソフトな設定では、凹凸を優しく吸収。荒れた路面でも、不快な揺れは届かない。最もハードに切り替えると、姿勢制御がタイトになり、ダイレクトな操縦性が際立つ。

フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)
フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)

アクセルペダルを目一杯蹴飛ばしても、過剰なパワーが開放されることはない。直感的に勢いを高められ、前輪駆動らしい走りへのめり込める。

ステアリングホイールには、トラクションを感取するのに充分なフィードバックが伝わる。切り始めから手応えがあり、重み付けは理想的。神経質な印象は微塵もない。トルクステアは皆無といえ、フロントアクスルは小柄なボディを狙い通りに引っ張る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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