ALA、フォージド/ナノ・コンポジット… ウラカン・ペルフォルマンテ、知っておくべき3つのキーワード

公開 : 2017.06.11 18:10

「あの」フォージド・コンポジットの可能性

ALAで重要な役割を担うリアウイングに設けられたインナー・チャンネルは、フォージド・コンポジット製法があったからこそ実現できたシステムなのである。

レジンの母材に炭素を埋め込んで120バールの圧力をかけて成形するフォージド・コンポジットは、剛性はそのままに従来のカーボンファイバー・コンポジットでは不可能だった3次元の複雑な形状が再現でき、デザインの自由度が高めている。

また、大幅な軽量化を現実のものにし、製作時間の短縮(このリアウイングで約5分で出来上がるという)がはかられた。

フォージド・コンポジット製法のパーツは、CFRPの繊維模様とは異なりマーブル調の仕上がりとなる。

 
ちなみにフォージド・コンポジット製法の開発は3年前から始まり、ウラカン・ペルフォルマンテで初めて市販車に採用された。オト氏は将来的にはウラカンでも使用したいと語っていた。

ウラカン・ペルフォルマンテは、フォージド・コンポジット・パーツを使用することを前提に開発されたという。重量的にはフロントとリアのスポイラー、エンジンフード、リアバンパーに採用することにより、合計で40kg削減することに成功している。

リアウイングはフォージド・コンポジット製法により2ピース構造で作られている。従来のCFRPでは10個のパーツに分割されたが、上下ふたつだけで構成できるメリットがある。

ウイングの上面と、インナー・チャンネルを内蔵する支柱とウイング下面で構成されているもので、上下を合体する際に樹脂製の整風パネルが組み込まれる。この導風構造の中空リアウイングは、フォージド・コンポジット製法があったからこそ実現できたものである。

このフォージド・コンポジット製法では、母材となるレジンに炭素を埋め込んで作られるため、従来のカーボン・パーツに見られた繊維の織り目はなく、どちらかというとマーブル模様に近い仕上がりとなるのが特徴だ。

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