「鼻で笑われた」プレリュードの4WSに再び脚光、なぜ? 訴求における問題点とは?

公開 : 2017.06.11 17:10  更新 : 2021.01.30 21:27

かつて、ホンダ・プレリュードが盛り込んだ4WS(四輪操舵)は、あまりに時代の先をすすんでいたのかもしれません。しかしながら昨今、ポルシェをはじめとするいわゆるスポーツカーメーカーが、こぞって採用するようになりました。なぜでしょう。訴求における問題点もあるようです。

プレリュードの4WS なぜ「鼻で笑われた」?

「クルマにとって非常に重要な要素はその時々によって変わるが、常に重要なのはステアリングだ」。そんな言葉を残したのは、英国の偉大なモーター・ジャーナリスト、L.J.K.セットライトだったような。

優雅な散文体と豊富な技術的知識、そして理路整然としながらもしばしば物議を醸した評論で知られた彼は、AUTOCARをはじめとする数多くの二輪/四輪雑誌へワールドワイドに寄稿し、クルマと航空機に関する数々の名著を遺した人物だ。

とりわけ彼が強い熱意を向けたのが、3代目ホンダプレリュードが量産車では初採用した四輪アクティブステアリングだった。

この背の低いクーペを、セットライトは「操舵が前輪だけでも出来のいいクルマだが、四輪操舵が加わることで、彼の豊富な経験の中でも、ほかに大差を付けるほど素晴らしいクルマだ」と評している。

このクルマを称賛したのは、セットライトだけではない。

ロード&トラック誌は、1988年式の2.0ℓ車が、スラロームで当時最新のスーパーカーを凌ぐタイムを計測している。1991年に登場した4代目では、機械式から電動式に変更され、レスポンスが向上している。

他社は当時、大ぴらにこのアイデアを鼻で笑った。たしかに販売上のプラスになったとはいえず、ホンダは2001年にプレリュードの生産を終了した。

当時は残念に思ったものだ。個人的にも4WSのプレリュードを所有していたが、あの頃の基準に照らせば、実にすばしこいハンドリングマシンだった。

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