ホンダ・シビック・タイプRプロトタイプ、国内試乗 フォーカスRS/ゴルフRとの優劣は?

公開 : 2017.06.12 12:10

エンジニアもすごい

すごいのは、私の横に座る事になった、気の毒なエンジニアである。勢いよく繰り出し、ハードなブレーキングや全開加速を繰り返し、試乗車をこれでもかと酷使しても、顔色ひとつ変えることもなかった。

反対に、彼は笑顔を見せたかと思えば、たまに笑ったりもしたが、ちょっとミスしたな、と思った時に、メモを取っていた。果たして私の成績はどうだったのか、結果を知るのが怖い。もう呼ばれないかもしれない。

彼がメモを整然ととることができたのは、よくできた、スポーツシートのおかげでもあるだろう。試乗を終えたドライバー達は、口を揃えて、このタイプRに乗ることは苦行ではなく快楽であると自信をもって語った。

尋常でない脚の硬さが日常性を奪うことになった先代のタイプRに比べて、このクルマの乗り心地が改善しているかどうかを知る為には、縁石を乗り越える以外に最良の方法はなかった。踏んだ感じは、良質なしなやかさに近いものだったと思う。

ロールやグリップ、スタビリティに妥協があったのかどうかを確かめるためには、わたし程度の技量では無理である。日本人のジャーナリストと呼ばれるひとは、いつもこの程度の時間でクルマの善し悪しを見極めているのだろうか? だとしたらすごい。

その他に関しては、あなたの想像通りであろう。これまで以上に素敵なエンジン、軽快な変速機に、期待通りのインテリア。いずれも悪くない。

いっぽうのエクステリアだが、これの評価に関しては、それぞれの好みにおまかせするとしよう。

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