ポルシェ、中国シャオペンとCO2排出権プールで提携 新型『マカン』など内燃機関車へ回帰 EU環境規制のひずみ

公開 : 2026.08.19 07:05

ポルシェは内燃機関車への回帰に伴い、欧州でシャオペンのCO2排出権プールに参加しました。排出量目標をオーバーしている親会社フォルクスワーゲン・グループのプールからは離脱し、中国EVメーカーとの提携を決めました。

フォルクスワーゲン・グループのプールからは離脱

ポルシェは、内燃機関車への回帰を進める中、欧州連合(EU)の規制に沿って平均CO2排出量を削減するため、中国のEVメーカーであるシャオペン(小鵬汽車、Xpeng)と欧州で「排出権プール」を組んでいる。

独立系自動車アナリストのマティアス・シュミット氏が入手したEUの情報によると、ポルシェは親会社フォルクスワーゲン・グループの排出権プールから離脱すると同時に、シャオペンと提携したという。

ポルシェは欧州でシャオペンと「CO2排出量プール」を形成した。
ポルシェは欧州でシャオペンと「CO2排出量プール」を形成した。

ポルシェはここ数か月、欧州でのEV販売が落ち込んでいる。これは『タイカン』と『マカン・エレクトリック』に対する需要低迷が原因だ。フォルクスワーゲン・グループ全体の排出量実績も悪化し、国際クリーン交通委員会(ICCT)のデータによれば、2025~2027年の平均目標値92g/kmを下回る100g/kmを記録した。

シャオペンとの提携は、フォルクスワーゲン・グループが中国で同社と提携していることに由来する。グループはシャオペンの株式5%を保有し、中国市場に重点を置いた新型車の開発に、シャオペンのソフトウェアとプラットフォームを利用している。

ガソリンエンジン車へ傾注

シャオペンは欧州でも着実に販売を伸ばしている。シュミット氏のデータによると、今年上半期だけで約2万台を販売し、同期間・同地域におけるポルシェのEV販売台数を上回った。シャオペンが欧州で販売しているのはすべてEVだが、中国では最近プラグインハイブリッド(PHEV)モデルを発売している。

ポルシェは中国での販売不振と、米国における排出ガス規制の撤廃を受け、EV投入計画の大部分を延期して内燃機関車への転換を図っている。大型SUV『K1』(コードネーム)をEVとする計画を撤回し、2028年から内燃機関搭載の新型マカンを導入する予定だ。

ポルシェ・マカン・エレクトリック
ポルシェ・マカン・エレクトリック

ポルシェの今回の決定は、欧州の自動車メーカー各社が内燃機関車からEVへと段階的に移行することを余儀なくされている状況において、大きな影響を及ぼすだろう。

シャオペンとの提携により、ポルシェは代替戦略を練るための時間を確保できるほか、2035年の内燃機関車販売禁止を前にEUの規制緩和を期待することもできる。

英国はEU離脱後にゼロ・エミッション車義務化(ZEV)を導入し、同様の排出権プール制度を策定した。ここでは、ポルシェは今もフォルクスワーゲン・グループのプールに属しているとされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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