「立ち消えになった」コンセプトカー20選 あなたは何台知っている?

公開 : 2017.09.09 06:10

ベントレー・ユノディエール(1999)

ベントレーがこれまでミドシップのスーパーカーを市販したことも、それを検討したこともない。

結局のところ、クルー的にはフロントエンジンのラグジュアリーGTが全てであって、これを買収したVWがウイングBバッジを冠したユノディエールもまた、あくまでショーカーでしかなかった。

なにしろ、同時期にVWは、ランボルギーニブガッティという、もっとスーパーカーにふさわしい名跡をふたつも傘下に収めているのだ。ベントレー名義のスーパーカーなど、市販化されるわけがない。

実際、これはブガッティ名義でのちに発表されるヴェイロンの初期プロトで、シャシーはディアブロからの流用だといわれている。

エンジンは8.0ℓW16で、最高出力は632ps。これは後に量産化されることになるが、出力は大幅に高められ、ベントレーではないブランドのクルマに搭載されることになったのは、説明するまでもないだろう。

セアト・フォーミュラ(1999)

1990年代末、セアトはアイデンティティの確立に苦しんでいた。このスペインのブランドは、VWグループにあってスポーティ部門を受け持っていたが、そのイメージを強化するようなものをほとんど持ち合わせていなかったというのが実情だったのだ。

そこに現れたのが、このセアト・フォーミュラである。その方法論は、ロータス・エリーゼやそれをベースにしたオペル・スピードスター/ヴォグゾールVX220と同様のもので、既存車種の活用にとらわれないスパルタンなスポーツカー。リアミドに搭載されるエンジンは、240ps級の2.0ℓ直4ターボ20バルブだ。

メカニズムや構造において、とりたてて過激なテクノロジーが投入されたわけではない。しかし、セアトというブランドにとって、それは市販するにはラディカルすぎるクルマだった。

VWマイクロバス(2001)

最近でも折に触れてタイプ2のオマージュを造りたがるVWだが、その端緒ともいえるのが2001年のデトロイト・ショーに出展されたマイクロバス・コンセプトだ。

評判は上々で、量産型を2003年に生産開始するとのアナウンスもなされたが、結局は立ち消えとなってしまう。

その後も、2011年のブリー・コンセプトや、今年3月のIDバズといった、現代版「ワーゲンバス」のコンセプトカーが、忘れた頃になると登場する、という状況が続いている。

率直に言って、どれでもいいから量産化してほしい。たしかに現行のT6キャンパーはいいクルマだが、路上を明るく彩ってくれるのは、商用車に毛が生えたような四角四面のミニバンではなく、現代版タイプ2のようなクルマだ。

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