テスラ搭載の対話型AI『グロック』でドライブが変わる 充電器検索にサッカーの試合結果まで ここ数年で最高の技術革新【UK編集部コラム】

公開 : 2026.06.03 07:25

海外ではテスラ車に対話型AI『グロック(Grok)』が搭載されるようになりました。充電器の場所や、応援しているサッカーチームのスコアを教えてくれるほか、UK記者はランニングのアドバイスまでもらえたようです。

クルマの使い方を変える画期的な機能

本当に革新的な機能が最後にクルマに登場したのはいつだっただろうか? 一過性の流行ではなく、決して覆ることのないような画期的なもの。オートマティック・トランスミッション、シートベルト、ESC……お分かりだろう。タッチスクリーンは間違いなくその類には入らない。

EV主流の時代になれば、こうした新機能の導入は日常茶飯事になると思われるかもしれない。しかし、EV技術がいかに新しく、急速に進化していようとも、その本質はあくまで推進方法に過ぎない。効率性や航続距離、充電時間の改善は見られるが、次に乗る時に「これがないとどうしても物足りない」と感じるような機能は何かあるだろうか? 筆者には思い当たらない。そう、今までは。

テスラ・モデルY(英国仕様)
テスラモデルY(英国仕様)    AUTOCAR

テスラ・モデルYに搭載された新しいAI音声アシスタント『グロック(Grok)』は驚くべきもので、クルマの使いやすさとドライブの楽しさを高める画期的な機能だ。初めて体験して以来、グロックのない他のクルマを運転するたびに、恋しく感じるようになった(翻訳者注釈:日本向けのテスラ車に関しては、現時点でグロック導入は確認できていません。この記事は英国仕様モデルYのレポートです)。

確かに、車載の音声コントロール自体は昔からあるものだが、トップレベルのシステムでさえ、指示を理解できなかったり、実行できなかったりと、あまり役には立たなかった。

一方、グロックは、クルマの操作に関して許可されていることのほとんどを、進んでかつ確実に実行できる(もしできない場合は、その旨を伝え、関連するタッチスクリーンメニューを案内してくれる)。本質的には、クルマの取扱説明書を学習し、インターネット検索も可能な、対話型AIチャットボットと言えるだろう。

ルートを案内し、好奇心も満たす

グロックを使うには、まずステアリングホイールのマイクボタンを長押しする(あるいは、最新のソフトウェアアップデート後は「ヘイ、グロック」と言うだけでいい)。そして、例えば次のように指示する。

ブリストルの市街地まで案内して、駐車場を探してほしい。バッテリー残量60%で到着したい。途中でコスタコーヒーに寄りたい」

テスラ・モデルY(英国仕様)
テスラ・モデルY(英国仕様)    AUTOCAR

数秒以内に、ルートがカーナビに設定され、充電スポットも自動的に決定され、温かい飲み物も手配される。これまでの音声認識システムからの典型的な返答が「申し訳ありませんが、その機能は実行できません」だったことを考えれば、これはかなりの進歩だ。

しかし、グロックは単にクルマの各種機能を操作するだけではない。運転の邪魔にならない形で、車内にインターネット環境をもたらすものだ。例えば、ある土曜日の夕方、M4高速道路を走っていると、反対車線を走るプリムス・アーガイルFC(英国のサッカークラブチーム)のバスとすれ違った。

グロックに、彼らがどのチームと対戦したのか、スコアはどうかと尋ねてみた。ピルグリムズ(プリムス・アーガイルの愛称)にとっては良い日だったが、筆者の好奇心にとってはさらに素晴らしい日となった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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