ヒュンダイ/キアにBMWのアルバート・ビーアマン移籍 今後の展開は? インタビュー

公開 : 2017.11.04 18:10  更新 : 2021.03.05 21:38

M部門の知見、ドイツブランドを揺さぶれるか?

「それについては、まだ何とも言えないですね。しかし変わると確信していますよ」とビーアマンは言う。

「スティンガーがキアのすべてのモデルに対する期待値を変える事になると思います。われわれがより高いレベルで競い合えると証明してくれるはずです」

しかし、一方でキアがアウディBMWメルセデス・ベンツと同じように語られるようになるには、まだ長い道のりが待っている事も、ビーアマンは認識している。

ビーアマンがMディビジョンであれほど長く働いてきたことを思えば、動力性能こそ彼が力を入れている部分だとわかるだろう。だからこその英国訪問だったのだ。

「英国でのテストで、よりチューニングに注力する必要があるとわかったんだ。チームは再度英国を訪問して、英国特有の条件にもっと慎重に対応する事になるでしょうね」と彼は話してくれた。

英国特有の荒れた路面は、キアとヒュンダイの今後のモデルのパフォーマンスを更に向上させてくれるはずだ。

「英国の道路はチャレンジングなんです」とビーアマンは言う。「英国の道は独特で、路面は荒れ、多くの起伏もあります。そして生垣の間を縫うように走る狭い道まで。もちろん街中の細い路地なんかもね。あんな道はドイツでは経験できない。でも、これまで欧州市場向けのチューニングはドイツでしか行ってこなかったんです」

つまり英国訪問は「われわれが今後、より敏捷性、ステアリング・レスポンス、そしてハンドリングの正確性に注力するという意思表示なんです」と彼は言う。「そして、もちろん、荒れた道路状況にも、もう少し対応するという意味でもあるんですよ」

ご存知のとおり、すべてのメーカーがこんな事をしている訳ではない。こういった事に少しばかり余計に注意して、物事を基本的に正しい方向へ進めようとする。これはキアにとっても新しい試みだ。

「いまいくつか新しい経験をしているところですよ」とビーアマン。「とても実り多い経験です。なんの前触れもなしに、いきなりわれわれのクルマが欧州のプレミアムカーと競合するようになるでしょうね。ドイツ勢もそれを楽しんでくれるはずですよ」

われわれもそう期待しています。アルバート。心から。

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