水素電気自動車『新型ヒョンデ・ネッソ』を通じて知った理想と現実 世界で最初に市販化し、取り組むのは一気通貫のビジネスプラットフォーム

公開 : 2026.08.14 07:25

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンが4月8日に発売した『ネッソ』の取材会に、編集部ヒライが参加しました。水素を燃料とする電気自動車として、2代目となります。実際に水素充填も体験し見えてきたのは、日本における高いハードルでした。

ヒョンデ水素に対する取り組みは長い

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンが4月8日に発売した、『ヒョンデ・ネッソ』の取材会に参加した。ネッソは水素を燃料とする電気自動車(FCEV)で、これが2代目となる。昨年秋のジャパンモビリティショー2025でも展示されたので、ご覧になった方も多いだろう。

実はヒョンデの水素に対する取り組みは長く、その歴史は1998年まで遡る。当時は商用化された燃料電池技術が存在せず、ヒョンデは宇宙船用のシステムをNASAに納品していたアメリカのUTCパワーとパートナーシップを結び、開発をスタートさせた。

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンが4月8日に発売した、『ヒョンデ・ネッソ』の取材会に参加。
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンが4月8日に発売した、『ヒョンデ・ネッソ』の取材会に参加。    平井大介

そこで誕生したのが水星の名を冠した『マーキュリー・プロジェクト』で、2000年にはプロトタイプとして、韓国初の水素電気自動車『マーキュリー・ワン』が誕生している。

2013年には、量産に適した独自のスタック(水素と酸素を化学反応させて発電する中核部品)開発に成功し、世界初の量産型水素電気自動車『ヒョンデ・ツーソンixフューエルセル』発売に漕ぎつけた。

先代ネッソは2018年に登場し、昨年春のフルモデルチェンジで2代目へと進化。日本でも4月に発売開始したという流れだ。その結果、今年4月の段階でヒョンデは世界25ヵ国以上で約4万7000台の燃料電池乗用車を納車している。これはもちろん、世界ナンバー1の数字だ。

なお、トラックやバスの分野でも商品化されており、こちらは15ヵ国で約4000台が納車されている。

しかもヒョンデは、『HTWO』(エイチツー)と呼ぶ水素ビジネスプラットフォームを展開。パートナー企業やグループ各社と連携し、水素の製造、貯蔵、輸送、充填、システム開発、その活用まで、一気通貫で取り組んでいるのが特徴だ。

水素充填を実際に体験

2代目ネッソは、簡単に書けばSUVスタイルを持つ水素燃料電気自動車だ。

ボディサイズは全長4750mm、全幅1865mm、全高1690mmとなり、同じヒョンデのアイオニック5と比べると、95mm長く、25mm狭く、45mm高い。車両重量は取材車の『ラウンジ』で、1970kgとなっている。フロントに搭載するモーターは最高出力150kW(204ps)、最大トルク350Nmで、フロントを駆動する2WDだ。

エネオスの水素ステーションで、実際に水素の充填も体験した。
エネオスの水素ステーションで、実際に水素の充填も体験した。    平井大介

水素の燃料タンクは54L×3本、合計162L(6.69kg)となるが、そう書いてあっても取材するまでは正直ピンとこなかった。しかし今回、実際に水素の充填も体験でき、ようやく肌感覚として理解することができた。

充填を行ったのは横浜市内にあるエネオスの水素ステーションで、残量48%の状態でスタートし、繋ぎ始めてから100%まで充填されるのに要した時間は約6分だった(充填作業はステーションのスタッフが担当)。

カタログには95%まで5分程度と書かれているが、ステーションの設定、タンク内にある水素の状態や季節などで充填時間が変化するのも、今回初めて知った話。ちなみに充填を途中で止めることはできず、100%充填が前提となるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法