非ハイブリッド化で100kg以上減 ベントレー・スーパースポーツ(1) パワーウェイトレシオは333ps/t 軽さ追求でも豪華さに驚く内装

公開 : 2026.09.17 18:05

レス・イズ・モアの哲学で、100ps以上を削りパワーウエイトレシオを高めたベントレー・スーパースポーツの試作車に、UK編集部が試乗します。V8が奏でる怒号と雷鳴に、乗り手を夢中にさせる走りが待っていました。

100ps以上削りパワーウエイトレシオ上昇

ベントレー・コンチネンタル・シリーズの最新モデルは、GT スピードの車重あたりの馬力、パワーウエイトレシオを引き上げるというアイデアから生まれたらしい。単純にその内容を表すなら、100馬力以上もパワーを削って。

スーパースポーツとして、コンチネンタルGTを生まれ変わらせた手法は、意外なものといえる。一方でベントレーは、一層シリアスな走りを求める声へ応えるべく、過去にないほどの情熱を注いでもいる。

ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)
ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)

果たして、通常のコンチネンタルGTより軽い2シーターのクーペは、彼らの本気度を端的に表すモデルへ仕上がった。スーパースポーツという新たなモデル名も、その熱量を反映している。生産数は500台の限定。2026年末から、納車は始まるそうだ。

ポルシェの幹部からベントレーのCEOへ就任した、フランク・ワリザー氏は、スーパースポーツをブランドの転換点だと捉える。潜在的な能力を証明し、最高水準の走りを追求したモデルを欲する顧客への準備が、整っていることを顕示する事例として。

レス・イズ・モアという引き算の哲学

少量生産のスペシャル仕様でベントレーは何を実現できるのか、スーパースポーツで見事に体現されたといえる。少なくとも、彼の目論見は達成されたように思う。

レス・イズ・モアという引き算の哲学が、高性能モデルで今も変わらず重要なことも実証されたといっていい。コンチネンタルGTに備わった、プラグインハイブリッドの一式とリアシート、フロントのドライブシャフトを、そっくり省くことで。

ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)
ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)

4.0L V8ツインターボエンジンには、大径のシングルスクロール・ターボが組まれ、強化クランクケースと新型シリンダーヘッドを採用。排気系は新設計で、ポルシェのチューニングを手掛けるマンタイ・レーシング社が鍛造するアルミホイールを履く。

ルーフパネルはカーボン製で、空力を磨いたボディキットもまとう。優雅さは失わないが、相当に威圧的にも映る。エアサスペンションは維持されつつ、ブレーキはカーボンセラミック・ディスク。タイヤは、セミスリックのピレリ・トロフェオRSだ。

前後の重量配分を整える300kgのダウンフォース

リアに載っていた駆動用バッテリーを降ろしたことで、前後の重量配分のずれが課題になった。それを解決したのが、大きなリアウイング。300kgのダウンフォースがリアアクスルを抑え、バランスさせたという。

コンチネンタルGTとしては、歴代初の後輪駆動。過去80年間の量産ベントレーで、初めて2.0tを切ってもいる。パワーウエイトレシオは333ps/tと、コンチネンタルGT スピードの318ps/tを15psほど上回る。電動化の大きなうねりへ、立ち向かうように。

ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)
ベントレー・スーパースポーツ(海外仕様)

それでも、車重は1999kg。最高出力は667psあるが、トップクラスのスーパーカーに並ぶ動力性能ではないだろう。

公道を走れるベントレーながら、英国では型式認証を受けない。そのかわり単独車両承認という、少量生産のモデルを想定した制度を利用し、ナンバーを取得する。その結果、通常なら義務化される運転支援システムも、省くことができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ベントレー・スーパースポーツの前後関係

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