怒号と雷鳴のV8ツインターボ ベントレー・スーパースポーツ(2) 乗り手を深い懐で受け止め夢中に 速さの質を意識
公開 : 2026.09.17 18:10
レス・イズ・モアの哲学で、100ps以上を削りパワーウエイトレシオを高めたベントレー・スーパースポーツの試作車に、UK編集部が試乗します。V8が奏でる怒号と雷鳴に、乗り手を夢中にさせる走りが待っていました。
もくじ
ー怒号のような唸りと雷鳴のような響き
ー意識したのは絶対的な速さではなく、速さの質
ー乗り手を夢中にさせ、深い懐で受け止める
ー積極的にステアリングを握りたくなる
ーベントレー・スーパースポーツ(海外仕様/プロトタイプ)のスペック
怒号のような唸りと雷鳴のような響き
軽さと速さを追求したベントレー・コンチネンタルGTといえる、スーパースポーツ。スタート・ボタンを押すと、即座に4.0L V8ツインターボエンジンが始動し、小さくないサウンドが車内を満たす。
特にスポーツ・モードで積極的に扱うと、怒号のような唸りと雷鳴のような響きが入り乱れる。試乗コースだったラグナ・セカ・サーキットで、コークスクリューへ続くストレートを駆け上っていても、アイドリング中でも、音響は素晴らしい。

惜しいのが、吹け切るような回転域へ届かないこと。高性能なポルシェやBMWと異なり、6000rpmを過ぎたら変速を迫られる。更に1000rpm、引っ張りたくなる。
8速デュアルクラッチATの仕事ぶりも素晴らしく、マニュアル・モードで飛ばせば、間髪入れずギアを切り替えてくれる。レッドゾーン間際に達するシフトダウンは、稀に拒否されるが。平時も概ねスムーズ。DやRを選ぶ際、僅かなためらいはあっても。
意識したのは絶対的な速さではなく、速さの質
価格を鑑みれば、もっと速いスーパーカーは存在する。フェラーリのスペチアーレやランボルギーニのペルフォルマンテ、アストンマーティンのAMRへ並ぶ、シリアスな領域には達していない。だが、ベントレーはそれを気にかけない。
彼らが意識したのは、絶対的な速さではなく、速さの質。どのような過程で、どれだけ楽しめるのかが追求されている。その点でいえば、V8ツインターボの訴求力は若干物足りないだろう。雄大なサウンドを除いて。

667psの最高出力を受け止め、リアタイヤへ伝えるのは、大径クラッチを備えるトルクベクタリング機能付きの電子制御デフ。スタビリティ・コントロールの効きを弱め、サーキットを5周ほど攻めると、過熱気味になり許容範囲の限界が見えた。
リアアクスルは拡幅され、ハイグリップなタイヤを履き、負荷は相当高まっている。本来なら極めて流暢に誘えるであろうパワースライドだが、自然と直進状態へ戻るような挙動が表れていた。カーボンセラミック・ブレーキも、少し追い込まれていた印象だ。
乗り手を夢中にさせ、深い懐で受け止める
試乗車は完成間際の試作車で、既に相当に走り込まれた状態にあった。当日の気温も高かった。それでも、ポルシェ911 GT3などが同条件にあったとして、こんな感覚は残さないはず。だが3割も軽い、生粋のサーキットマシンと比較するのも公平ではない。
ラグジュアリーなベントレーとして、多少の寛容さは持つべきだろう。過熱状態にはないスーパースポーツは、すこぶる刺激的で夢中になれる。ブレーキは強力で漸進的に制動力を引き出せ、ステアリングの感触も濃く、忠実に反応する。

高速コーナーでの落ち着きぶりにも、唸らされる。フロントアクスルは、機敏かつ正確に向きを変えていく。筆者の記憶の限り、過去のどんなベントレーも、これほどの落ち着きと敏捷性を、高速域で披露したことはなかった。
スタビリティ・コントロールを抑えれば、アクセルペダルの加減で簡単にスタンス調整が可能。ドリフトアングルの深さも、意のまま。時間とともに、車重は1.5tほどに思えてくる。乗り手を夢中にさせ、深い懐で受け止めてくれる。



































































































































































