最終決着 BMW M3 vs アウディRS4 大番狂わせ起こるか 前編

公開 : 2017.11.26 10:10  更新 : 2018.01.22 22:48

M3 「まるで物足りない」

RS4は4ドアで、スタイリングは総じてボクシー。M3は(今のところ)2ドアで、パワーバルジや4本出しのエグゾーストの効果もあって見るからに好戦的だが、実際にはフェンダーが大きく張り出したRS4のほうが逞しく見える。

端的に言って、RS4は視覚的なアピールで明らかに勝っている。RS4はすっきりとコンパクトでエレガント。これはM3も同じだが、RSは上記に加えて力強い男らしさを兼ね備えている。

M3にはなぜかそれがまったく感じられないのだ。

BMWは新型M3をあまりマッチョな姿にはしたくなかったのだろう。だとすれば、RS4のほうが視覚的にアグレッシブだとしても、BMW的には問題ないということか。

早速ささやかな勝利を挙げたRS4だが、そのボディは見た目だけでなく実用的にも勝っている。ドアが2枚多いおかげで後部座席へのアプローチも楽だし、トランク容量も大きい(M3:400ℓ、RS4:460ℓ)。そして室内に入ると、M3はさらにRS4に差を付けられてしまう。

RS4のシートはサイドの張り出しが大きく、身体にぴったりとフィットしてくれる。乗り込むのには少々苦労するが、ひとたび腰を下ろせばまさに極楽。M3のシートが駄物と思えるほど(決してそうではないのだが)RS4のシートのホールド性は素晴らしい。

もちろんM3のインテリアがまったくお粗末というわけではない。クロームで縁取られたメーターとカーボンファイバー調のダッシュボード・トリムのおかげで、普通の335iの室内よりも多少スペシャルな感じにはなっている。

しかし、われわれ的にはまるで物足りない。

下側がフラットなステアリングホイールと、ドアとコンソールに本物のカーボンファイバー製トリムが付くRS4に比べると、M3は見た目も雰囲気もまったくスペシャルではない。RS4の入念な仕立てを知るだけに不満だけが募る。

走りでも2台の違いはすぐに明らかになった。

後編につづく。

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