フォード、2万8350ドルの低価格ピックアップトラック『ファゾム』来年発売へ トヨタRAV4より広い室内

公開 : 2026.08.11 07:25

フォードは来年、米国で新型電動ピックアップトラック『ファゾム』を発売することを明らかにしました。価格は2万8350ドル(約450万円)からで、F1の技術を応用して空力性能を高めているとのことです。

F1の技術を応用した新プラットフォーム採用

フォードは、新型の電動ピックアップトラックの名称を『ファゾム(Fathom)』とし、来年初めに米国で2万8350ドル(約450万円)から発売すると発表した。

ファゾムという言葉には、両腕を伸ばした時の標準的な長さと、「理解する」という2つの意味がある。フォードは新型車について、「広々とした室内空間と、状況に応じて即座に適応するテクノロジーで、乗る人を温かく迎え入れる」と語っている。

フォードが低価格の新型ピックアップトラックを米国で発売する。
フォードが低価格の新型ピックアップトラックを米国で発売する。

新型ファゾムは、F1の影響を受けた新しい低価格EV用プラットフォーム「ユニバーサルEV」を初めて採用したモデルとなる。将来的には欧州や英国でも販売される可能性がある。

フォードのジム・ファーリーCEOによれば、この新プラットフォームは「ハイパーカーよりもクールなエンジニアリング」を特徴としているという。カリフォルニア州に新設した「スカンクワークス」部門によって開発されたもので、同部門からは今後さまざまなグローバル向けモデルが生み出される。

公開された予告映像からは、フォードがデザインとエンジニアリングへのアプローチを再考し、従来のガソリンエンジン搭載トラックとは大きく異なるスタイリングを採用していることがうかがえる。

空力性能を高めることでバッテリーを小型化

フォードはほぼゼロから設計をスタートし、異なる分野から人材を採用した。特にモータースポーツ分野に重点を置いているが、それは競技で得られた知見が中国のライバル企業に対する優位性につながると確信しているからだ。

ファーリー氏はAUTOCARの取材に対し、「F1がフォードにもたらした最大の恩恵の1つは、カリフォルニアにある『スカンクワークス』チームです。メンバーのほぼ全員がF1出身か、あるいは熱狂的なF1ファンです」と語った。

デザインスケッチの様子
デザインスケッチの様子    フォード

さらに、このスカンクワークスチームのスタッフの大半は「これまで自動車業界で働いた経験がない」が、「彼らの空力に関する知識を評価して採用した」という。一方で、その難しさも認めている。

「モータースポーツを愛し、しかも『ラスベガスのビュッフェ』のような、見た目も良く運転も楽しい3万ドルのEVを作りたいと思う人材を見つけるのは、案外難しいことがわかりました」

「多くの人がF1に残りたいと言います。画期的な製品を設計できる人材を見極め、モータースポーツ業界から引き抜くのは難しいのです」

「しかし、この『スカンクワークス』で成し遂げたことを人々が目にすれば、『ハイパーカーよりもクールなエンジニアリングだ!』と言うでしょう。きっと衝撃を受けるはずです」

ファーリー氏は、現代のF1マシンが空力を徹底的に追求している点が、スカンクワークスへの人材採用における大きな魅力だったと述べた。

「空力性能を少しでも改善できれば、バッテリーサイズの小型化につながります。そしてF1には世界最高の空力専門家たちが集まっています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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