アストン マーティンDBS vs フェラーリ599 価格は互角、走りは? 後編

公開 : 2018.01.27 17:10  更新 : 2018.01.27 18:51

身軽で安定したDBSの走り

599はシートから伝わるインフォメーションがはるかに豊富だが、ステアリングは中立付近でのレスポンスがより敏感なため、ステアリングホイールへの入力が雑なドライバーには、599を楽しみながら走らせるのは少々むずかしく感じるかもしれない。

その点、DBSは落ち着いていて安定性が高い。これはダンパーをスポーツモードにセットした状態でも同様だ。ただしスポーツモードは、高速道路やサーキットなどの整った路面以外ではお薦めできないが。


 
そのほかに2台のあいだで大きく異なるのは、減速時のノーズダイブと加速時のスクォットの量だ。DBSでは加減速による前後の荷重移動がほとんど感じられない。

150km/hからのフル制動時でさえそうだ。スロットルペダル、ブレーキペダルともに、どんなにハードに踏んでも四輪がしっかりと路面に接している実感がある。

数値のうえでは599のほうが軽いが、感覚的には599はボディがDBSより大きく振られ、身のこなしも重い。さらに599は60km/h前後でゆっくり走るときの快適性においてもDBSにおよばないし、タイヤノイズも常にDBSより大きい。
 
逆にいえば、フェラーリ599のドライビングはアストンDBSよりもエキサイティングだ。それはエンジンサウンドやボディの動き、加速感といったドライバーに訴えかけるさまざまな刺激がより強いことも関係している。実際、加速能力では599はDBSを大きく引き離す。

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