【シューマッハーの愛車】フェラーリ599GTBフィオラーノF1 パリのオークションに その評価は?

公開 : 2020.03.02 06:10  更新 : 2021.10.11 09:30

ミハエル・シューマッハーの愛馬がオークションに。競売におけるフェラーリの価格は値下がり傾向ですが、こちらの599GTBフィオラーノF1は、相場の2倍で落札されています。

599GTBに2164万円 なぜ?

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:ARTCURIAL

フランスのクラシックカー・イベントの公式オークションとして開催された「レトロモビル・セール」。広大な広さを誇るパリ・エキスポ・ポルト・ド・ヴェルサイユで開かれ、151台の4輪車のほか、9台のモーターサイクル、4隻のクルーザーが用意された。

オークションの結果は、フェラーリ275GTB 6Cが最高落札額(3億284万円)を記録、2番値は1966年ポルシェ 906(2億941万円)となったのは既報のとおり。

2164万円で落札された2006年フェラーリ599GTBフィオラーノF1
2164万円で落札された2006年フェラーリ599GTBフィオラーノF1

別格といえる275GTBやF40、ルネ・アルヌーが乗ったF1マシンの126C3を除いてみれば、オークション全体ではフェラーリの下落傾向が止まらない。

これまで高額だった365GTC/4が1811万円、330GTCは4688万円が精一杯だった。新しいモデルでも208GTSターボが765万円、328GTBでも722万円で終えている。

こうした中で目を引くのが、2164万円で落札された2006年「フェラーリ599GTBフィオラーノF1」だ。

皇帝の愛馬

これまでの傾向としてフェラーリ599GTBフィオラーノF1は、マニュアル仕様であれば高額で落札されるが、F1仕様では1000万円台が相場といえる。では、なぜこのクルマは高く評価されたのか?

実はこの599GTBフィオラーノF1は、赤い皇帝「ミハエル・シューマッハー」のプライベートカーとして、フェラーリ社から支給されていた個体なのである。

皇帝が愛用した599GTBのコクピット
皇帝が愛用した599GTBのコクピット

走行距離はメーター読みで2万2000kmばかり。記録簿によればファーストオーナーはマラネッロのフェラーリ・ファクトリーであることが分かる。現オーナーは2016年にこのクルマを手に入れたという。

フェラーリ社の証明書がつくこともあり、入札が続き2164万円まで上昇したが、シューマッハーの現役時代であれば数倍の値が付いたに違いない。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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