【エンツォと同じNA V12】フェラーリ599 英国版中古車ガイド 限定のハードコア仕様も

公開 : 2021.01.23 10:25  更新 : 2021.07.12 18:45

崇高なフェラーリ599を、今なら新車時の3分の1程度の価格で買えることに注目する英国編集部。しかし、エリック・クラプトンが乗っていたような上物には、多くの金額が必要なようです。中古車購入の注意点を見てみましょう。

自然吸気V12気筒は、エンツォと同じF140

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
従来のフェラーリでも、乗りやすい存在だった599。ディーラーのショールームへ姿を表したのは2006年。ソフトで丸みを帯びた575Mマラッネロの、後継モデルだった。

フロントにV型12気筒エンジンを載せ、リアタイヤを駆動するグランドツアラーでありながら、一気にハードルは低められていた。フェラーリとして印象的な走りが味わえたが、近年の599の取引価格が現実的な領域で推移している理由でもある。

フェラーリ599(2006〜2012年/英国仕様)
フェラーリ599(2006〜2012年/英国仕様)

F12ベルリネッタの前身でもあり、まだ充分な競争力は備えている。手入れの行き届いた599なら、12万ポンド(1680万円)程度で取引されているようだ。

長いボンネットを開けば、伝説のエンツォの動力源にもなった、F140型と呼ばれる自然吸気の6.0L V12ユニットが現れる。ややデチューンされているとはいえ、F1スーパーファストと名付けられたATを介して、600馬力以上のパワーがリアタイヤへ伝えられる。

この素晴らしいF140ユニットは、専用のアルミニウム製シャシーにマウント。0-100km/h加速は3.5秒と、今でも成績は優秀な部類に入るだろう。599の車重は1.8t近くあるが、最高速度は320kmを超えている。

もちろん、ハンドリングも優秀。オプションとしてカーボンセラミック・ブレーキが用意された初めての量産車でもあり、デルファイ・マグネライドと呼ばれる磁性流体を用いた可変ダンパーも装備する。

この可変ダンパーは、信頼性という点では599のアキレス腱。しかし路面を問わない順応性と、優れた動的性能を支える技術でもある。

599XXや599 GTOというハードコア仕様も

ハンドリング・グランツーリスモ・エボルツィオーネ(HGTE)と呼ばれるパッケージが追加されたのは2009年。引き締められたサスペンションにソフト・コンパウンドのタイヤ、幅広のホイールなどを装備し、シャープな走りを獲得している。

新車当時からHGTEは人気のオプションで、中古車として流通している高価格帯の599の多くにも装備されているようだ。だがタイヤの摩耗は早く、速度抑制用のコブ、スピードバンプは不得意分野になってしまう。

フェラーリ599(2006〜2012年/英国仕様)
フェラーリ599(2006〜2012年/英国仕様)

フェラーリ599のハードコア仕様としては、さらに上がある。グランプリ規格のサーキットへ足を運び、100万ポンド以上を用意できるなら、サーキット専用マシンの599XXを手に入れることも可能だった。

通常のドライバーが購入できる最速フェラーリの1台で、最高出力は標準から110ps増し。車重は300kgも軽量化されていた。フェラーリのテストコース、フィオラノを当時は最短時間で周回したマシンでもある。

崇高なマシンだが、お金持ちなだけでは購入できなかった。生産された599XXは、わずか29台。忍耐力に長けた選ばれた人しか、契約書にサインはできなかったのだ。

一方で、公道走行が可能な599 GTOなら50万ポンド。車重は若干増え、パワーもわずかに劣るものの、サーキットでのスリルは引けを取らない。しかも、そのまま自宅へ乗って帰れるという大きなアドバンテージもあった。

関連テーマ

人気テーマ

おすすめ記事

 

人気記事