小型ホットハッチ対決 ルノー・トゥインゴ vs アバルト500 回顧録

公開 : 2018.05.05 08:10

メガーヌやルーテシアなど、ルノー・スポールが作るホットハッチはそのクラスを代表とするクルマとなっています。今回、そのトゥインゴ133をアバルト500と対決させます。限界領域の走りではトゥインゴが優っていますが、より多くの時間クルマの真価を堪能できるのはアバルトという結論になりました。

もくじ

誰もがトゥインゴの勝利を予想
動力性能はアバルトが有利
シンプルゆえの奥深さ
長距離巡航は苦手
回して楽しいトゥインゴ
低速でも楽しめるアバルト
幅広い能力をもつアバルトの勝利

誰もがトゥインゴの勝利を予想

「トゥインゴの勝ちで決まりだな」このテストの企画が持ち上がったとき誰もがこう口にした。ルノー・トゥインゴ133とアバルト500に乗ったことのある人もない人も同じ意見だった。

確かに、ホットハッチを作らせたらルノースポールの右に出る者はいない。これがこの世界の定説である。私にとって、R26Rは新しいフォーカスRSの出来映えを確かめる物差しであり、ルーテシア・カップは同じ価格帯のあらゆるクルマを評価するスタンダードである。この不文律にしたがうなら、確かにトゥインゴが楽勝してもおかしくはない。

今回われわれがテストするのはアバルト500のベースグレードモデルだ。もし昨年登場したプントアバルトがなんらかの参考となるならば、アバルト500も高い実力を備えているはずである。

アバルト500のトップグレード(エッセエッセ)はミニ・クーパーSとクリオ・カップと競合するモデルだが、このベースグレードの方は、トゥインゴ133とミニ・クーパーとの中間あたりの位置づけと考えていいだろう。

トゥインゴ133よりも価格は高いが、クーパーに比べると安価なアバルト500は、パワーとスペックにおいては両車に勝っている。そこでトゥインゴとクーパーのどちらと戦わせるか悩んだあげく、われわれはドライビングがより魅力的なトゥインゴの方を選んだ。

しかもただのトゥインゴではなく、カップ・シャシー(車高が下がり、スプリングとダンパーが硬くされ、17インチ・ホイールを装着する)バージョンである。

価格はベースグレードの邦貨換算約235万円からおよそ13万円アップしている。エアコンやCDプレーヤーといったアイテムは2台とも標準で装備している。

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