小型ホットハッチ対決 ルノー・トゥインゴ vs アバルト500 回顧録

公開 : 2018.05.05 08:10

長距離巡航は苦手

果たしてわれわれのこうした予想が正しいのかを確かめるべく、さっそく素晴らしい道路と景色があるウェールズに向かった。ウェールズまでの高速M4号線はこの手のホットハッチ、特にトゥインゴ133にとっては、とても長い道のりだった。これはシートやドライビングポジションが問題というわけではない。

厄介なのは騒音と乗り心地である。このトゥインゴはひどくうるさく、しかも乗り心地は硬い。ひどく揺さぶられるわけはないが、市街地でも高速道路でも、直線路であれば常にソワソワと落ち着きがない。ギアリングもローギアードで、シフトは重くてぎこちない。高速道路で長距離を走る機会が多い人には向かないクルマである。

500はそれよりもマシだ。ドライビングポジションはトゥインゴよりも高めで、シートは太ももの下の部分が少々短い。しかし、長距離を走るにはトゥインゴよりも洗練されたクルマであった。

乗り心地は同じく硬めではあるが、市街地ではトゥインゴに比べれば落ち着いている。加えてトルクが大きいぶん、ハイギアードでの巡航が楽でもある。

重低音のエグゾーストノートも魅力的だ。ギアシフトも特に素晴らしいわけではないが、トゥインゴに比べれば良好といえる。しかも500の方が静かでもある。

ただし、こうした評価はすべて2台を比較した場合でのみの形容であり、この2台に比べればフォーカスSTでさえリムジンのように思えてしまうことを付け加えておこう。

初春の南ウェールズのブラック・マウンテンは霧がかかり、雲が低くたちこめ、気温は低い。だが少なくとも雨は降っていない。

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